今日はハロウィンだということが忘却の彼方に飛んでいってしまっていたわたしは朝、学校へ行き下駄箱でローファーを脱ぎ上靴を履き1年生の教室の前を歩いているとなんかいつもはしない好いにおいがして何事だと思いながらもだらだらと歩いていたらわたしを慕ってくれてる後輩Yが相変わらずの美少女っぷりを振りまきながらこちらに駆け寄ってきて満面の笑みで飴玉をくれた。つられて笑顔になり、朝から君に会えたなんて今日は良い1日になりそうだなあと最近ハマっているキザな台詞をナチュラルに言うという行いと共にお礼も言い4階まで階段を上るといつもは蒸し暑いはずの4階がなんだか違う気がして今日なんか特別な日だっけと考えながら3年生の教室の前を通ると知らない先輩にきのこちゃんおはようと言われ、びっくりしつつもおはようございますと返し自分の教室へと向かった。いま思えば先輩たちの目はギラギラしていたような気もしなくもない。そして今日におはよーと言いながら入ると同じように返ってきて、自分の席にリュックを置いて誰かに話しかけに行こうとしたらちょうどT子が廊下にいて、わたしを見つけた途端に走ってきた。一体、何事?と言うと、はいっとかわいらしくラッピングされたクッキーを差し出された。よくわからないけれどお礼を言って受け取ろうとするとすっとそれは遠のいて、わたしの手は宙を掴んだ。何がしたいの。そう聞くと不満そうな顔をされた。今日が何の日か忘れたの?なんだか記念日を忘れた彼氏にヒステリック気味に詰め寄る彼女の図が想像された。するといきなり横から会長がどこからともなく現れて、その姿を視界に入れたわたしは真っ先についに頭が可笑しくなったかと哀れんだ。しかし悔しくも会長のおかげでわたしはやっと気がついた。ああ、なんだ。なるほど。思わず口元が緩んだ。この前、生徒会室に秘密基地を作ろうとして荷物を漁ってたら出てきたんだよねーと頭の上にのった黒にオレンジで縁取りされた魔女帽子をわたしの頭に載せて訳の分からぬことを言う会長のことは華麗にスルーしておいた。期待に輝くT子から合い言葉は?と聞かれわたしは笑顔で答え、やっとクッキーをゲットした。(ちなみに。魔女帽子はわたしのクラスのどっからどう見てもただのショタな男子にあげたところ写メ大会が催されました)

その後もグミやらスコーンやらマフィンやらをいただきました。ハロウィンって素敵な日。それにしても手作りお菓子なんてみなさま女子力がお高いようで、すっかり忘れていたわたしって一体なんなんだ。ただみんなに肥やされただけではないか。



トリックオアトリート

10月31日 月曜日



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