生きて、る? 暖かい何かに包まれているのがわかった。うっすらと目を開けると、ぼんやりと炎の橙が見えた。
炎を見つめているとだんだんと意識が覚醒する。
ここは何処だろうか、とりあえず船ではないはずだ。……あの子達は? あの子達何処に行った?
立ち上がろうとすると後ろにいたらしい誰かにぶつかった。体に巻き付けられていた毛布が落ちないように押さえながらも慌てて後ろを振り向くと、貫禄のあるリザードンが座っていた。

「え、あ、ごめんなさい、えっ」

何故、何故こんなところにリザードンがいるのだと混乱していていると笑い声が聞こえた。そちらの方を向くと、赤い帽子を被った一人の少年……え、いや、まてよ。レッドさんにしか見えないんだけどどういうことなの?
さらに混乱に陥ってわけのわからないことを口走っていると、リザードンに腕を引っ張られた。尻をついたのはリザードンの足の間で、あの暖かさの正体はリザードンだったのかと気づく。
それはともかく、あの子たちは何処に行った? 私一人が助かっても意味がない、あのこたちがいないといきられないいきるいみがない。レッドさんにしか見えない人は、私が何を探しているのか気づいたらしくモンスターボールがついている私のベルトを手渡してくれた。

「他の地方のポケモン? ガーディしかわからなかったよ」

「あ、ありがとうございます……ホウエン地方です」

「ホウエン! ずいぶんと遠くから来たんだな」

そう言いながら笑うレッドさんを横目に、私はボールを確認した。ボールのなかにいるみんなは無事そうで、ようやく安心した。ただ、キルリアは疲れているようだった。
キルリアがテレポートでここまで連れてきてくれたのだろう。どのような条件を指定したのかはわからないが、大変だったに違いない。
それにしてもキルリア、私の言葉をこういう意味で受け取ったのか。私はただ、私を無視して逃げてって伝えたつもりだったんだけど。

「あ、俺レッド。君は?」

突如、思い出したかのように自己紹介を始めたやはりレッドさんだったレッドさん。私は慌ててベルトを巻いてから、立ち上がってレッドさんに頭を下げる。

「ミニスカートのナナシです。今回は本当にありがとうございました」

「そんなかしこまらなくていいって! よくわからないけど、大変だったんだろ?」

再びリザードンに腕を引っ張られ尻餅をついた私を見てレッドさんが笑う。
レッドさんは明るい人で、あのゲームでシロガネヤマの頂にいた無口なレッドさんとは違うのかもしれない。よくよく見てみると、服装もすこし寒そうな格好ではあるが半袖ではない。
……あれ、なんでレッドさんは私が大変な目にあったことを知っているんだ? と思ったが、まあ、いきなりテレポートで現れたら何かあったと考えるよね。一応命の恩人であるレッドさんには、何があったか説明しておくべきだと思い口を開く。

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