銀さんは、いつもと変わらない。

怠そうにしていて、甘いものばかり欲しがっている。

でも、なんか、違う。


目をあまり合わさなくなった。


僕は、今、すごく寂しい気分になってる。


「銀さん」

ソファに寝そべり漫画を読んでいる銀さんに声を掛けた。

「なんだよ。今いいとこなんだけど」

漫画を読みながら面倒臭そうな風に答える。


いつもの態度なのに、僕は傷ついた。


「買い物なんすけど、今日買うものいっぱいあるんで原チャ出してもらえないですか?」

緊張して、少し声が震えてしまう。


銀時はちらっとこっちを見たあと、
「チョコ」
と言った。


……………引き換えってわけか。


「ハイハイ、わかりました。じゃあちゃっちゃと出して下さいね」


「マジでか!よし、行くぞ!」

ソファからガバッと起き上がり、銀さんはほれ、行くぞ、と言って僕の肩を掴む。


ギクリ、と僕は体を固くした。


「…っ。さーて、原チャ出してくっかな」

すっと僕から離れた銀さんは、原付きバイクを出しに行ってしまった。


…………心臓が煩い。


今から銀さんのバイクに乗らなきゃいけないのに。

あんなに近くに……ど、どうしよう緊張してきた…!


ドギマギしながら銀時のもとへ向かった。


「おせーよ、お前。何してんだ」

怠そうにハンドルに肘を置いて銀さんは待っていて、そんな銀さんを見ただけで、ドクリと胸が疼く。


ぽんっと投げられたヘルメットを思わず取り損ねた。


「…何やってんだお前」


あーあーといいながらころころと転がって銀さんのところまで戻ってしまったヘルメットを掴み、銀さんは僕のところまできた。


ぽんっとヘルメットを被せられる。

「どんくせーの」

そういって少しぎこちなく、でも優しい顔で笑った銀さんを間近で見てしまった。

久しぶりに、目を合わせて笑ってくれた。


きゅ、と胸が締め付けられて。

好きだ、と思った。


好き…?


僕が…銀さんを……?


僕は思わず銀さんの頬を殴っていた。



「はっ…はぁあああああ!?何?何殴っちゃってんの?お前ェェェ!」

銀時は涙目で頬を抑えて喚く。



「…そんな顔で笑ってんじゃねェェェ!好きだって気づいちゃったじゃないかこのマダオォォオ!」

僕は部屋へダッシュで戻った。


な、に言ってんだ僕…。


てゆーか殴っちゃったんだけど。


僕はもうなにがなんだかわからず居間のテーブルに突っ伏した。


少しして、玄関の戸をガラリと開く音。


銀時が家へ入ってきた。



緊張する。
気持ち悪がられるよね。



のそのそと歩き、新八の側に座る。

新八は突っ伏したまま動かなかった。



「あ、あのさ…さっきの…さ」

何やらもじもじと気持ち悪く話し始めた銀時をちらっと見て、

「好きだってことなら嘘じゃないですからね。残念ながら」

と言い、いたたまれなくなりその場を離れようとした。


「待てって」

熱く、少し汗ばんだ掌で腕を掴まれる。


「…その…俺も……」

俯いて小さく言う銀時に。


「………はぁ?あんたホモですか」


「ちげーよ!それ言ったらオメーもだろ!」

焦って答える銀時を笑い、

「僕も、違うはずなんですけどね」

ぽすりと力無くソファに座った。

はぁ、と一つため息。

すると急に銀時から抱きしめられた。


「お前やっぱやれば出来る子だな」

なんて呟かれて、頭を撫でられる。


「俺も好きだ」


いつになく真剣な声色で、本当何だと理解した。


「銀さんも…ですか…?」


「あぁ、」

そういって銀時が新八にいままでみたこともないような優しい顔で、新八の頬に手をかけた。

直後だった。


カチャリ、

「テメーらここでこれ以上んなキモチワリーことやったらドタマぶち抜くぞ」

銀時の頭に傘を当て、神楽が恐ろしい顔で見ていた。


「「ギャー!!!」」

僕らは羞恥と恐怖により叫び声をあげたのだった。



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やっとくっついた(^O^)

やるときはやる新ちゃん

気付いてしまった↑の続き