【恋という名の種を拾いました】

(C)確かに恋だった
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優しい優しい土井先生。

それでいて強い。

いつも一年は組のガ…よい子達を大切に思い、教師として毎日頑張っていらっしゃる。


しかも若いのに父とも肩を並べて仕事をしている。


土井先生は私の憧れだ。


本当に尊敬しているのだ。


今日は仕事の関係で、土井先生とここ最近の地域情勢や戦についての情報交換する日だった。


(先生と会えるなんて嬉しいなぁ。今日は土井先生の修業時代のことなんか聞けるといいな。勉強になるぞ。)

浮き浮きとしながら学園へ向かう。


最近この浮き浮きとする気持ちに戸惑うことがあるのだが。


先生のことを考えると胸がきゅっと締め付けられるというか、ドクンと波打つ。


変に何か期待するような、うずうずするような感じだ。


何を期待するのかはわからないのだけれど、先生に会うことが数日前から楽しみでならない。



利吉は機嫌よく学園の扉を開いて中へと入る。


「あ、利吉さん!こんにちは。入門票にサインお願いします〜。山田先生なら部屋に…」

「ハイ書いたよ。では」


小松田が入った瞬間入門票を差し出し、利吉が名前を書いている間ペラペラと話しているのを聞き流してサインを終えると直ぐさま駆け出した。


「わっ、もう書いたんですか利吉さん!ってあれ!?もういないや…あんなに嬉しそうにして、そんなに山田先生に会いたかったのかな」


小松田は首を傾げて、走る利吉の後ろ姿を見詰めていた。



たったったっ



軽やかに走る。


半助に会える嬉しさで胸が高鳴っていた。



「あっ!」


利吉はぴたりと立ち止まる。


半助が生徒と話しているのが見えたからだ。


あの装束の柄は一年だな。



「土井先生!」


利吉は満面の笑みで半助に向かって走った。



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