今日は、忍術学園の学園長から任務を受けて、利吉とある城に仕えている忍者を追っていた。 山田先生の提案で利吉女装をしている。 半助はそのままで、夫婦を装い城下町を歩いていた。 歩いているが、言葉は交わさなかった。というか、喋ってくれないのである。 女装をした時の利吉くんは、いつもの数倍素っ気ない。 もともとあまり懐かなくて、猫みたいだなって思う時があったのだけれど。 初めて会った、利吉くんが12歳の時のことは今でも覚えている。 手負いの自分と視線がぶつかった時の利吉くんのまんまるくなった目がかわいかったなあ〜。 思いだして口元が弛む。と同時にわき腹に衝撃。 女装をした利吉くんの肘鉄をくらってしまった。かわいい顔してすごい力だ。 「なにするんだ。痛いじゃないか」 少し頬を膨らませて利吉を軽く睨むと、利吉は目も合わせずにそっぽを向いて不機嫌な雰囲気を漂わせている。 気を引こうと利吉の下ろした髪をつんっと引っ張ると、利吉くんがさらに冷たい視線を送ってきた。 「何を怒ってるんだい?」 柔らかく聞いても、さっさと歩いて行ってしまった。 はあ、とため息を吐いて半助はどうしたものかと顎に手を置いて考える。 自分が何かをしたとも思えないし、女装をした時はいつもこうだし。 優しくしても機嫌を取ろうと思っても全部逆効果なのだ。 「そんな風にされると寂しいなあ」 そう探る様に呟いて、利吉を通り越して歩いてみる。 どんな表情をしているか見てみたいけど、後ろは振り返らない。 怒っているかな、もっと不機嫌な顔をしているかも。 そう思っていた時、とととっと小さい歩幅で歩く足音がして、手を掴まれる。 そっと振り向くと、不機嫌そうな顔で利吉が俯いてしがみつくように腕を絡ませてきた。 「別に・・・一緒に居るのが嫌とかじゃないですから」 ぽそりと呟いて、またそっぽを向いて、ぐいぐいと半助を前へ促すように早い速度で歩き始める。 「任務が終わったら、化粧を落として夕飯を食べに出かけよう」 そう言うと、ちらっとこちらを向いた利吉が今日初めて小さく笑った。 (かわいいなあ・・・) 淡く桃色の頬を見詰めて、胸が気持ちいいくらいの締め付けできゅんと鳴いている気分だった。 *************** 利吉が女装姿を嫌がるのは、半助の目が気になるからですよ〜(^v^) ツンデレ?の利吉がどうしてもどうしてもかきたかったっっっっ のですっっ!! 場面切り取りすぎですみません〜 ツンデレーション |