窓際の席は人気がある。
何故人気があるかといえばまあ色々理由はあるのだが、此処は割愛させていただく。
そして運が良い事に俺は先程のホームルームでその窓際の席をゲットした。
まだ春先のこの陽射しはぽかぽかと気持ちよく照らしてくれる。
あ、でも気持ちよすぎて眠くなるからそこはマイナスかな。

ちらりと斜め右前の方を見ると神童が背筋をピン、と伸ばし真面目に先生の話に耳を傾けていた。
昔から所謂優等生な奴だった。
サッカー部のキャプテンとして模範的な生徒になろうとしてもあるかもしれない。
が、神童は元の性格から優等生だった。

視線を窓に戻す。三年が体育の授業でハードル走をやるみたいだ。
あ、三国先輩達のクラスなのか。
そこで俺はふと、一人いない事に気がついた。
三国先輩車田先輩天城先輩と来て一人足りない。
神童とは違った、だが先生ウケはいいだろう内申厨の優等生の特徴的な紫色の髪が見えない。
サボり、かと思ったがあの内申大好きな先輩がそんな事するわけがない。
具合が悪くて保健室か?いや、でも朝練の時は別に普通だったよな……。











「ってずっと考えてたんだけどどう思う?」
「どう思うって……」
「ちゅーか何で授業抜け出せばよかったのに」
「そ、それはダメですよ〜」
昼休み神童が監督に練習試合の事で呼ばれたので浜野達と食べる事にした。
そこで授業中のあの事について話してみたらこんな反応を返された。
「いや、仮病を使ったら神童が泣く。サボりってバレても神童が泣く」
「泣いてばっかだな神童……」
「ちゅーかさー、霧野俺思ったんだけどさーそれって


恋じゃね?」
「「は?」」
倉間と俺の声がハモった。
え、何恋?俺が内申厨ナルシストに恋?
いや、速水も「ですよねー」とか言ってんじゃねぇよっておい、倉間何睨んでやがるお前もしかして、



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恋の始まりと自覚の二歩前くらいの霧野さん。
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