今でも、覚えている―…


京に上る日のこと―

とても、嬉しそうな顔をして試衛館の門弟と食客とともに明るい顔持ちで手を上げた。

「行ってくる…。」




夢が叶う。その為に彼は行くのだ。いつ殺されるとも分からない危険な都に―…

でも、信じてる…。
あの人は、私に嘘を吐いたりしない…。
そのことだけは、自信を持って言えた。





はじめは、慣れぬ都で散々な生活を送っていた彼らもいつしか腕ききの揃った立派な隊を作り上げた。

それからというもの、彼らの噂は江戸にまで届くようになった―…