最低な遊び

最低な遊び

練習が終わった後の部室。次々に部員たちはもう帰 宅してしまったから、ここには千石と南以外誰もいな い。いつもなら南と一緒にいるはずの東方も今日は用 事があるからと早々に帰ってしまった。だから、南を 守る人間はここにいない。今、こうやって南が千石に 詰め寄られていたとしてもそれを止める人間はこの部 室のどこにもいないのだ。

「お、お前…女だったらなんでもいいのかよ…」

ロッカーに身体を押しつけられて、南は青ざめた。 いつもより低い身長から千石の顔を見上げる。その顔 は試合中の本気の顔だ。 いつもの南ならば千石を突き飛ばすことだって可能 だ。何せ体格では南の方が千石より勝っているのだか ら。だが、今はどれにおいても南は千石より不利だっ た。

今、彼の身体は女性である。

昨日、南はひょんなことから壇が作り出した悲劇の 汁『壇君スペシャル』の犠牲者になってしまった。壇 が集めてきたよく解らないエキスが色々と化学反応を 起こしたのか、それは性転換を可能にしたのだ。 うっかりできてしまったものだから、治し方も分か らない。全部体内からそれが出れば元に戻るだろうと そのまま放置していた。幸い夏休みだから授業もない 上、南の家は南以外旅行中で誰もいなかった。事情を 知っている部員たち以外に彼の姿を見る者はいない。

「東方が早く帰ってくれて、本当にラッキーだった なぁ〜。でなきゃ、南と二人きりになれるなんてそう そうないもん。普通こんなことしたら、あいつ怒りな がら止めに入るでしょ」

そう言って、千石は南の目の前でへらへら笑う。そ の笑顔を見れば、いつもの千石なのかと一瞬勘違いし そうだが違う。彼はもっと、ふざけた声で笑うはず だ。その言葉はどこか真剣味を帯びている。つまり、 冗談ではなく本気で東方がいなくて嬉しいのだ。

「そんな身体で練習に参加してさ、身の危険とか覚え ないの?」 「はあ?」 「俺たちは男の子だけど、今の南は女の子なんだ よ?」

確かに今の南は女の子である。元の身長よりずっと 背は低くなっているし、身体付きだって女のものだ。 だから、今の体格に近い弟のシャツやズボンを身につ けている。しかし、男家庭で女性用の下着など持って いるはずもないから、東方からの助言で自分の長 ジャージを着ていた。自分のものであるのにそれは大 きくて、尻を大方隠すくらいの勢いだ。 何故東方が今の体格を隠すように言ったのか解らな かったが、今なら解る。千石のような考えを起こす奴 がいないとも限らないのだ。 男として生まれて、男として生きてきて、体格もと ても欲情の対象になるものではない。だから、そんな 危険を感じたことはないのだが、今まさにひしひしと 感じている。今の千石は何をするか分からない。

「おい、冗談だろ…? ほら、俺、元々男なんだぜ? 何考えてるんだよ…」 「元々男でも今は女の子でしょ〜? それが無防備に もそんな格好でうろうろしてたら、ついついチョッカ イかけたくなるのは当たり前だよね。東方はそれを考 えて、そのジャージを着るように言ったんだろうけ ど、俺に言わせてみれば逆効果だね。隠されれば隠さ れるほど、想像力が掻き立てられるし、何より…もっと 見たくなる」

南のジャージのジッパーを引き下ろそうとしてくる 手をなんとか掴んで、しばらく拮抗する。曲がりなり にもテニス少年だった彼はなんとか千石の手から逃れ ようと必死だった。

「落ち着けよ。お前が大好きな女の子なら他にもいっ ぱいいるだろ? 何で俺じゃないといけないんだよ」 「だって、男から女になるなんてレアじゃん。一回食 べてみないと」 「最低だなお前…」 「俺は最低だよ?」

それが何か? そう言いたげな顔で千石は笑う。まだ南と千石のさ さやかなバトルは続いている。いつもの南ならば、こ こで千石を突き飛ばせているところだがなかなかこの 均衡は破れない。身体が小さいのが悔やまれる。

「ところでさぁ…もう、東方とはヤったの?」 「はあ?」 「東方とセックスはもうしたの? って訊いてるの」

千石のあまりにゲス過ぎる質問に南は青ざめた。と ても考えられないことだったからだ。 例え南の身体が女でも東方は普段通り、親友として 扱ってくれる。練習中だって、少し力が落ちてしまっ た南に対して普段通りの球を打ってくれるのだ。 パワープレイヤーである東方の球は女の身体の南に はなかなか取れないものだ。しかし、ここで手加減さ れたら、男としての自分が終わるような気がして嫌 だった。その気持ちを東方も読み取ってくれているの だろう。伊達に長い時間を共に過ごしてはいない。 だからこそ、そんなことは考えられなかった。まさ か、東方が例え女の身体でも南に欲情をするはずがな い。

「そんなことするはずないだろ…。俺と東方は友達だ ぞ」 「ふーん、つまんないなあ〜。ざーんねん」

どこか信用ならない溜息を吐いて、千石はすっと腕 の力を落とした。もう諦めたのかと思って、南もその 手首を掴むのをやめる。

「でもさあ、そう思ってるのは南だけだったりして ね」 「え?」 「だって、東方だって男だよ? 可愛い女の子がいた ら、きっと俺みたいな気持ちになっちゃうよ。それも その女の子が南だったら、もう我慢してもしきれない だろうね。だってあいつ、南大好きだもん」 「ふざけるなよ千石…。あいつはお前とは違う」 「一緒だよ。そのジャージ着せたのだって、南を守る ためじゃなくって、自分が我慢できなくなっちゃうか らかもしれないし、そういうフェチズムだったりして ね。まあ、俺は純粋な好奇心だけど、東方は南が大好 きだからだろうね。その辺では、男に戻っても気をつ けた方がいいかもね。ハハハ、絶対お尻狙われてる よ」 「デタラメ言うな!」

一番の親友のことを貶されて南が怒らないはずがな い。しかし、南に怒鳴られても千石のへらへら笑いは 収まらなかった。

「ん? 南が好きってことは俺が東方から聞いたこと だよ?」 「え」 「こないだね、俺に電話してきたんだ。俺、南のこと がそっち系の意味で好きなのかもしれないんだって。 まあ、俺は女の子にしか興味ないから、男の南はどう でもいいからそうなんだ〜って軽く流しておいたんだ けどね。もしかしてぇ、南気づいてなかった?」 「知らなかった…」 「パートナーの想いに気づいてあげられないなんて、 ダブルスプレイヤー失格だね、南」

そう割と本気の声の千石に断言されて、南は動揺が 隠せない。ダブルスプレイヤー失格。確かにその通り なのかもしれない。がくっ、と南の膝が落ちる。すか さず、千石もしゃがみ込むと南に抱きついてきた。

「な、なんだよ…やめろよ……」 「女の子の身体だから、女の子の匂いがするなあ」 「気持ちわりぃ…放せよ」 「東方がやっても何も言わないくせに、俺がやったら 南はいつも怒るよね」

そのまま千石の体重が押しかかってきて、床に押し 倒される。暴れようとすれば、千石の身体全体で押さ えつけられて、動けない。

「やめ、やめろって! いい加減にしろよ!」 「だって、南がこっちを向いてくれないんなら、行動 で示すしかないじゃん。南が弱いうちにさ」

適当なところに転がっていたテーピング用のテープ を拾うと千石はそれで南の手首を上の方で縛り上げ た。暴れられなくなった南のその大きなジャージの上 から千石は胸を撫でる。ブラジャーもしていないか ら、布越しにその手の感触を感じて、南は太腿を寄せ る。

「な、な…!」 「あはは、南のおっぱい柔らかいね。もっと見せて よ」

ジャージのジッパーを下げられてもシャツを着てい る。しかし、普段のように着ているから、その下は生 身の肌だ。練習後で少し汗で湿っているからか、じっ とり身体に張り付いていた。

「そりゃ、東方怒るよね。これはダメでしょ。こんな にもやらしーんだもん」

色の薄いシャツなせいか、その下の乳首の色まで分 かる。まだ触られていないから、勃ってはいない。確 かにこれは良くないと南も思った。

「女の子になった南の乳首って、ピンク色なんだね」 「…っ! そこ、やめろよ…」 「やだ」

シャツ越しに乳首をぐりぐり押しながら、千石は笑 う。じわじわとした快感が芽生えてくる。触られて喜 んでいるかのように。南の乳首は勃って、自己主張を 始めていた。千石はにやにや笑いながらそれを摘ま む。

「南の乳首、勃ってるよ? やらしー!」 「だから、やめ…ひゃっ!」 「南のさっきの声もやらしかったよ?」 「ふえ、やめ…ろって、言ってるだろ! はあ…」

くにくに摘み弄られて、南の身体はとうとう反応し てしまっていた。熱い息を吐く南を千石は楽しそうに 見つめている。

「もっといい声あげてよ」 「ふ…んんう…やあ、やめろ…よ…ふえっ!」

片方を摘まんで弄るそのままにぺろりと片方を舐め る。薄い生地越しに南のいやらしく勃つ乳首がより鮮 明になる。ぺろぺろと乳首を舐められると南はまたい やらしい声で喘いだ。

「あ、あぁ…やだよ。なめ、なめるなよ…っ! あ、ぁ ああ…!」

シャツの上から形をよりはっきりさせるようにその 舌は動いている。南は自然と太腿を擦り合わせなが ら、喘いでいた。

「ねえ、脱がしていい? 答えは聞いてないけど」

律儀に短パンの中に入っていたシャツを捲り上げら れるとやっと生身の乳房が姿を現した。そこまで大き いわけじゃないが小さいわけでもない。一般的なサイ ズだ。

「あー、やらしーねえ…。乳首、こんなに可愛いんだ」 「や、やめっ…はあ、やっ! つつくなンアッ!」

生身の乳首を突かれて、南の身体が震える。

「こんなことでこんなにも反応しちゃってさあ。南っ て敏感なんだね。ほら、こんなに可愛い反応しちゃっ てさぁ…俺のこと、誘ってるんでしょ?」 「さ、さそってなんか…んひゃっ!」

千石は南の胸に顔を埋めるとぺろぺろと乳首を舐め てから、ちゅうちゅう吸い始めた。さらに口の中で舌 に弄ぶ。

「や、やだ! あっあああ! せんご、く…やだあ!」 「俺でもこんなに良くなっちゃうんだ…」

ぺろり、と南の乳首を舐め納めてから、千石が次に 手を伸ばしたのは南の穿いている短パンだった。手が 滑り込んで、その中に隠れているそこを撫でる。微か に濡れている気がした、

「こんなに濡らしちゃって…。南、女の子から戻んない 方がいいよ。すっごい淫乱みたいだから。女の子だっ たら、ヤりたくなったら、誰でもヤってくれるだろう けど、男じゃあ欲求不満を抱えていかないといけない よね。あ、東方がいるか。あいつなら南が男でもよさ そうだよね」 「や、やめろ…変なとこ…ふえっ?!」 「俺じゃなくって東方だったらもっと派手に濡れてた のかなぁ?」 「ふ、ふざけるな…おれは…アッ…!」

ぬるぬるした液体が湧く筋をすりすり指でなぞりな がら、千石はにやにや笑う。

「すっごく物欲しそうだから、俺が慰めてあげるよ」

短パンを下着ごと引き下ろすと今まで隠れていたそ こが外気に晒される。うっすらとした陰毛に守られた ささやかな割れ目がやはり濡れている。短パンと下着 を脇に捨てて、足を開かせるとぺろ、と指に唾液を含 ませてからその割れ目を広げた。

「うわあ、やらしそうな色してる」 「あ、あ…」 「指挿れていい? まあ答えは聞いてないけどね」

まだ男を迎えたことがないそこに指を沈ませる。初 めこそ異物を吐き出そうとしていたが、奥に入るごと にそこは千石の指を受け入れていた。そして、緩く締 め付けてくる。

「お、いい締め付け。すごいね指増やしていい?」 「ふあっ…!」

答えを聞く前にまた指を増やす。ちゅぷん、と音を 立ててそこはまた千石の指を飲み込んでいた。

「後一本、入るよねえ?」 「やっ…!」

さらに指が一本増える。三本指が入って、南はもう 限界なのか、どこか息苦しそうに息を荒げていた。そ こで千石は指をばらばらに動かし出した。

「ふえあっ?!」 「すごいね、指三本も入っちゃったよ! それでも、 俺の挿れるにはキツいかも。まあ、慣らすから安心し てよ」 「やっ! だ、めだ! 抜け…! あ、あああ!」 「やだよ。南のイイとこ見つけるまで抜かない」 「ひ、ひう…! ふあ、あ…ぬい、て!」

陰部を弄られて南ははあはあ喘いでいる。まくれ上 がったジャージとシャツ、そして靴下と運動靴以外は 裸だ。中途半端に着られた衣服がいやらしい。 千石はにやにやしながらポケットから携帯を取り出 した。そして、カメラを起動するとピロリン、と可愛 らしいシャッター音を鳴らす。

「あ…あ? せんごく、いま、なに、とった?」 「南のやらしー姿。だってすんごくエロいんだもん」 「けせよ…あっ! ああああん!」 「やだね。こんなにエロいの。残しとかないと損じゃ ん」

ぐちゃぐちゃ中の指を動かすとまた南が甘い悲鳴を 上げる。その瞬間をまた撮ると今度は指でピストン運 動を開始する。

「アッ…あっ! や、やめ…! せんご、く! や だ!」

挿入部はぱちゅぱちゅといやらしい水音を立ててい る。そこも写真に納めて、千石は相変わらずの攻めを 開始する。一瞬抜けば、中から染み出てきた愛汁が垂 れてくる。どんどんぬるぬると抜き差ししやすくなっ ていく。

「どんどんやらしくなっていくね、南のここ」 「あっ! そなとこ…みるなぁ…! ふえ…!」 「そろそろイかせてあげるね」 「ふっ…?! んあああ!」

そこにある一つの肉芽を舐めると南はすぐに悲鳴を 上げる。男の亀頭以上に感じやすいそこは南にしっか りその快感を叩き込んでいた。それからも千石はそこ への攻めを続ける。

「や、やあああ! らめ、そこ、らめ…あああ!」 「これもビンビンだよ。すっごいやらしいね」 「あ、あああ! ほんと、やめ…! あ、ああん! ふ あっ…」

得体も知れない何かが押し寄せてくる。近いうちに 絶頂に達すると言うことなのだが、女のそれを知らな い南にとっては恐怖でしかない。

「やめてほしいなんて冗談でしょ? イきたいくせ に」 「や、やだ…せんごく…やめ…や、あああああ!!」

千石の挿れていた指がある一点をひっかいて、それ と同時に陰核を攻めたてたとき、何かがはじけた様な 感じがした。それと同時に言いようもない感覚が南の 身体を襲った。頭の中が真っ白になって、勝手に身体 が動く。背中を仰け反らせながら、びくんびくんと身 体を震わせていた。

「あ、あ、あ…あー……」

しばらく震えていた身体から一気に力が抜けて、南 は床に背中を落ち着けていた。 はあはあ、と荒い息に混ぜて、嗚咽を漏らす。イっ てしまったと考えるとぼろぼろと涙がこぼれてきた。

「あはは、本当に淫乱だね。普段は真面目くさってる くせにさ。あ、だからかな。あははは」

ぴろりん、とまた携帯のカメラで泣いている南を撮 る。

「悔しいよねえ、男のくせに女の子のイき方しちゃっ たんだもん」 「…消せよ、さっきの写真」 「やだよ。だって、南が泣いてるところなんてそうそ う見られないじゃん。超レアだよね。これ、誰かに 送っちゃおうかな? 東方とかがいいかなぁ…」 「ふざけるなよ、千石……」

腕を縛られているから拭うこともできない涙をぽろ ぽろ床にこぼして、南は千石を睨み付ける。

「ねえ、まだ欲しいもの、あるんでしょ?」 「はあ?」 「南のここはまだ物足りなそうだよ?」 「あっ…!」

にやりと笑った千石は南のそこを中指と人差し指で 広げる。そこはまだ愛汁を漏らしながら、物欲しげに 蠢いていた。

「ちょうど俺も物足りないんだよねえ…。下半身がビン ビンでさぁ。南ならヤらせてくれるよね?」 「お、おい…」

ユニフォームの短パンを脱いだ千石の股間には勃起 したそれがそそり立っていた。それはもう破裂しそう なほどに張り詰めている。赤黒く、どくんどくんと脈 打っている。 それを南に突っ込むつもりなのだ。もはや恐怖しか 感じられない。しかし、南の頭の中に反して、そこは また濡れた。

「あはは、南やらしー。見ただけで楽しみになっちゃ うなんて」 「マジでやめろよ…そ、そんなの…」 「えー? 入るよー! 俺、南よりちっさい女の子で も挿れたことあるもん。イけるって。まあ、挿れさせ てくれなかったらぁ…南は女の子の身体でこんなに感じ てました! ってこの写真、みんなに送っちゃうから ね。明日、みんなどんな顔して南に会うのかなあ?」 「うぅ…」

目が笑っていない千石の言葉が心に突き刺さる。千 石とこんなことをしたことはみんなにバレたくない し、あんなに恥ずかしい写真が出回ったりなんかした ら、恥ずかしすぎてもう生きていけない。

「いいよね、南」 「……もう勝手にしろよ」

これ以上、千石に弄ばれたくないが、背に腹は代え られなかった。千石に弄ばれるのは癪に障るがみんな には絶対にバレたくない。特に東方には。

「確かにそれがいいだろうね。だって、これは南が我 慢すれば良いんだもん」 「……」 「それじゃあ、南…本当にいいよね?」

諦めがついてしまった南は千石の問いかけに静かに 頷いた。それを見た千石は少し悲しそうな顔をしてい た。何故千石がそんな顔をしなければならないのか、 南は知らない。 押し広げたそこに千石のそれがあてがわれる。それ が入ってくる瞬間、南はぐっと目を閉じた。

「うわ、きつ…」

薄ら笑いを浮かべながら、ぐぐぐとそれを押し入れ る。狭いながらも柔らかいそこはぬぷりとそれを受け 入れてしまった。

「ほら、入っちゃったよ。全部」 「あ…あ…」

涙でぼろぼろになった顔を絶望の色に染めて、南は それを見ている。千石は生でそこに突っ込んでいる。 それがどういうことなのか、保健体育の授業を受けて いるからよく解る。もし、自分が元に戻らなかったら… 戻ってもどうなるのか分からない。

「せ、んごく…はやく、ぬけ…」 「やだね。もし、赤ちゃんができたら、俺がもらった げるからさ」

千石がにやりと笑ったのを皮切りに腰を動かしだし た。ぎちぎちで動かしにくいが動けば動くほど、そこ は広がっていく。

「は、あ…あぐっ…はあ、は、あ…」

千石が腰を動かすたびに南は苦しそうな声を上げ る。しかし、それに反して、そこはきゅうきゅう千石 を締め付けていた。

「南、そんな地味な反応いいから、もっと派手にして みなよ! ほらほら、イイとこついてあげるよ」 「あ、や…せんご、く! あ、あああ! やっ、いや だ! ああぁあ!」

千石が南のイイところを突くと堰を切ったように南 は喘ぎ声を漏らした。

「いやって言っても、南の中はいやじゃないって言っ てるよ? 嘘つき。こんなにやらしいの、ずっと隠し てたんだ」 「あっ! あっ! ふう、ふうう…やめ、あああ…!」

拭えない涙とよだれはそのままに南は頭を振り乱し た。がくがくと南の膝が震えてきている。爪先だって 弱々しく丸まっている。

「南、もう限界なの? まあ、いいや。イっちゃいな よ。俺もそろそろイくからさ」 「あっ、あああっ! ふあ、ふあ、ああああ!」

南がもう一度、達すると中が一気に収縮して、千石 を締め付けた。すでにイく寸前だったそれも絞り出さ れるように白濁を吐き出した。 萎えたそれを千石が引き抜くとぽたぽたと精液が南 の中から垂れてくる。

「メンゴメンゴ南、中で出しちゃったよ」

にやにや笑いながら、千石は机の上にあったティッ シュで自身を拭いた。そして、無造作にティッシュの 箱をまだイった余韻に浸っている南のほうに放り投げ た。やっと収まったのか、南の嗚咽が聞こえてくる。

「…千石、お前…最低だ…」

縛られて涙も拭えない南は涙を流したまま、千石を 睨みつける。その目が千石には少し切ない。

「南だって最低だよ」

嗚咽を漏らし続ける南に千石は聞こえないように一 つ呟いた。

「あ、そーだ。南にこれ、言っとかないとねえ」 「な、なんだよ…」 「東方は、至ってノーマルだよ? あの電話の話は嘘 だよ。別に南はダブルスプレイヤー失格でもなかった ね。あははは」

先程の表情から一転して、千石はすべてを笑い飛ば す。乾いた笑い声をあげ続けている彼を南は何もかも 終わったような、悲しい目で見つめるだけだった。

end





…うわああああなんて素敵な千南!!!!!私の求めていた千南の完成形です…もう萌えが止まりません…!遅筆な私からするとさくやさんがうらやましいです!!こんな千南かけるようになりたいです…!
本当に本当にありがとうございました!

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