『上の子たち』



・なっちゃん


7歳で一ノ瀬家に引き取られる。

一般の家庭に生れたけど両親から結構なレベルの虐待を受けて、受け続けてる間にさっちゃんがうまれて。

で5、6歳の時近所の通報で保護されて、児童養護施設『シャイニーハウス』へ。

さっちゃんは奇声発して暴れまわるタイプのほうじゃなくて、なっちゃん至上主義のちゃんと喋るほうの彼。

なっちゃん天才だから、他の子よりも成長というか学習能力? がすごくて、
最初実親たちもこの子は天才だ! って言ってたんだけどだんだん気味悪くなってきて、虐待始める。


それでまぁさまたちが引き取りに来たときにさっちゃんが

「お前らもすぐこいつを疎ましく感じるだろうよ。そして、こいつはまた裏切られて、また傷付く」って。

まるで7歳児とはおもえないセリフをふたりに言う。

さっちゃんのそんな敵意むき出しな感じに、まぁさまはその出来た嫁クオリティーな包容力を存分に発揮して有言実行していくわけです。

そして晴れて一ノ瀬家の一員になるわけですが、最初はずっとさっちゃんで。
さっちゃんが警戒してるから。

だけどだんだんとふたりの優しさに触れてくにつれなっちゃん率が高くなっていく。
でもさっちゃんはさっちゃんでいまも時々出現してくれればいいな。

なっちゃんのぬいぐるみ好きは、まぁさまがなっちゃんのために何個もぬいぐるみ編んだり作ったりしたげたから。



・レンくん

5歳の時になっちゃんと一緒に一ノ瀬家に入る。

神宮寺家の三男として生れるけど上の兄弟たちとだいぶ離れてて云々。

で虐待。
なっちゃんのほうが肉体的暴力なのに対してレンくんのほうは精神的暴力。

神宮寺父が、毎晩帰ってくるたびにレンくんをクローゼットに閉じ込めてお前は俺の子じゃないだとか、生れてこなければとか延々吐き続けるわけです。
クローゼットじゃなくても物置でもいいんだけど。

それでレンくんは暗所恐怖症になる。

で、神宮寺兄が憐れになって父親には逆らえないけどせめてもと密かに施設に連れて行く。

一ノ瀬家に引き取られてからも、
夜はダメで。

日が暮れてくるにつれ神宮寺父の声が聞こえてきそうな気がしてガクブルガクブル…

怖くて眠れなくて、眠れないから昼間寝ちゃって、昼間寝ちゃうから夜目が冴えちゃって眠れなくて。

言葉数も表情のレパートリーもやたら少なめ。

それがちょっとずつちょっとずつ癒されていくわけです。
きーみがいるーだーけでーこころぉがーいーやさーれるからぁぁぁあああああっっ

〜そしてマザコンへ〜

それが今ではもう真っ暗じゃなければ大丈夫なよく寝る子に。

なっちゃんもレンくんも音也たちが来る頃にはだいぶ落ち着いて、普通の小学校に登校しはじめてる。






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