『二人の経緯』



聖川家の長男として生まれ育ったまぁさま
(上に姉一人)。

もともとどこかの小さな財閥のお嬢さんと政略結婚系な婚約していて、まぁさまは一応好意を抱いてた。
けど、お嬢さんには好きな人がいて。

お嬢さんは家を飛び出してその人の所に逃亡するけど、すぐに連れ戻される。
それであの人と一緒になれないならどうのこうのってまぁさまの目の前で自殺。


っていう騒動があって、二重のショックを受けたまぁさま(たぶん文学部)は
大学構内のなんかピアノがある部屋(中庭側全面ガラス張り的な)でほぼ毎日その鬱憤を鍵盤にぶつけてて。

その姿をある日トキヤ(法学部)が見かけて
(この時点ではまだお互い知らない状態)
二秒で落ちる。

そのあとも何度も目に留まって。
で、偶然を装って近付く。

その日からよく話すようになってしばらく、聖川家がお嬢さんとこを切り捨てにする話を打ち出す。

その小財閥としては一人娘を失った上に傾きかけてた財政を立て直すチャンスも失くすわけだから大変大変。まぁさまはそれがわかってるからより一層聖川に対する不信というか不満が爆発。

で、卒業間近あたりの時期にそれが起きて
まぁさまもいよいよ
私、堪忍袋の緒が切れましたぁぁぁああ!! みたいなになって、

詳しくは事情話さないけど
「あんな家もう嫌だ」
的なことをトキヤにぽろりと零す。

好いた人が苦しんでてどうにか力になりたいとずっと思ってたトキヤは、
そこでピラメくわけです。

「あなたを苦しめるその苗字を、"聖川"を捨ててしまいませんか」って。

苗字一ノ瀬にしちゃいましょう! って。

それで卒業してトキヤが無事検事に就任すると同時に、まぁさまというか聖川真斗は世間から姿をくらますわけです。



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