「皆様に支えられくるぽっぽ!もこの度ついに五万ヒットを迎えることができました」
「ありがとうございます〜」
「ありがとレディたち」
「「サンキュー!」」
「それに伴いアンケートを設置したところ俺たち一家にも多くの質問を戴いたので誠心誠意、感謝の意を込め回答していこうと思う」
『皆さんお母さんの料理で何が一番好きですか?』
「ふむ、何故かはわからんが食に関する質問が多かった。これはその代表のようなものだな。大体の好みは把握しているつもりだが改めて本人の口から聞ける良い機会だ。して、お前たち何が一番好きなのだ?」
「お母さんのお料理はどれもとってもおいしいですが、一番と言われると僕はおやつですかねぇ。お願いすれば何でも作ってくれるんですよぉ!」
「俺はグラタンかな」
「乳製品の宝庫だからねぇ。俺はドリアだよ」
「俺カレー! あ、でも一番じゃないけどアレも好きだな。ピーマン入りのハンバーグ。俺ピーマン苦手だけどさ、そんな俺でも食べられるようにって細かく刻んで混ぜてあって、全然ピーマン! って感じしないんだ。むしろウマイし、俺のためにってのも嬉しくって大好きだよ」
「でもだからってピーマン食えるようにはなんないのな」
「だって苦いもん」
「私はそうですね…真斗さんの料理はどれも一流レストランにも劣らないものばかりなのでひとつには絞りがたいのですが…強いて挙げるならば筑前煮、でしょうか」
「そうなのか? お前は何をだしても反応が変わらんからな。そうか…筑前煮が好きか」
「あれ、なんか母さん嬉しそう?」
『一ノ瀬一家に質問です!皆さんの中で一番人気のメニュー(お母さんの手料理)は何ですか?』
「これさっきのとちげーの?」
「先程のものはそれぞれの好きな料理でしたが、こちらは全員が好きな料理、ということでしょうね」
「あぁそっか。…けどさ、俺らぜんっぜん合わないじゃん、そういうの。これが一番! てのは特に思いつかねーな。――総じてお袋の料理が好き、ってことでいんじゃね?」
「…無理矢理捻じ込みましたね。まぁそれでいいと思いますよ」
『一ノ瀬一家は一日に何合のご飯を炊くんですか?』
「今は大体朝に4合、夜に5合ほどだ。副食にもよるがな。カレーなどの日はもう少し多く炊いておく。が、これでも落ち着いたほうだぞ。やつらが成長期のときはそんなものでは済まなかったからな…」
『お母さんの得意料理を…!』
「筑前煮だ。じっくりと煮込みたっぷりと食材に味を染み込ませ、隠し味には生姜をふたかけ使っている。自分で言うのもなんだが、あれだけはどこに出しても恥ずかしくはない味だと思うぞ」
「ちくぜんに…さっき聞いたなそれ。だから母さん嬉しそうだったんだ」
『一ノ瀬家の皆さんの好きな料理はなんですか? 誰が作ったものかも教えていただきたいです』
「また似たようなやつ来たな…」
「そうだねぇ、さっきと同じ回答じゃあ面白くないからな、お袋以外が作ったものを言っていけばいいんじゃないかい? ちなみに俺はナッチの料理ならなんでも好きだよ」
「わぁ、ありがとうございます! ふふっ、僕もレンくんと一緒に作ったお料理、大好きです!」
「俺は嫌いだ…。――俺は砂月の作るチャーハンとかだな。たまーに作ってくれんだ。ちょっと荒っぽい味だけどさ、これぞ男の料理! って感じで好きだぜ」
「んんー、俺はレン兄のカルボナーラかな?」
「私は……翔の握ったおむすびでしょうか」
「ん? 俺そんなん作ったことあったか?」
「ええ、まだあなたが随分と幼かった頃に。形も歪で塩が一箇所にかたまってしまっていてすべて食べるのに随分と苦労しましたが…。好き、というより想い出深い料理、といったところでしょうか」
「そうだな。俺もあの時のことは良く覚えている。顔にも服にも米粒をつけながら一生懸命に握る姿は実に愛らしかったぞ」
「…ぜんっぜん記憶にねえけどすっげー恥ずかしい」
『那月の殺人級に不味いお料理はどのように習得したかがすごーく気になります…!』
「公式に訊いてくださいっ♪」
「こら那月、楽をしようとするな。戴いた質問にはきちんと答えるべきだ」
「えぇーでも僕の料理おいしいですよ? 質問が間違ってます!」
「だからといって適当に流そうとするものではない。…そうだな、この際前半は無視し、どのようにしてお前が料理を習得したかということだけを考えてみてはどうだ?」
「どうやって習得、ですか?」
「お前が料理をしようと思ったきっかけはなんだ?」
「きっかけ……そうですねぇ、小学4、5年生くらいのときでしょうか。お母さんのお手伝いをしようと思って作ったのが始まりだったと思います。でもそのときはお母さんみたくおいしく作ることができなくて、何が悪かったんだろうっていっぱい考えて。そうだ、おいしいものをたくさん混ぜればきっとおいしいものができるって思って試してみたら本当においしくできたんです! そうしたらなんだか楽しくなって、いつのまにかお料理が趣味になっていました。あぁでもお母さんのお料理には程遠いのでまだまだお勉強中です!」
「…………そうか。が、がんばれよ…」
「はい!」
『一ノ瀬家のみなさんはお酒強いですか? それと酔うとどうなっちゃいますかっ!?』
「これ…あの小ネタのせいだろ」
「だろうな。まさかあいつがあのように豹変するとは思わないからな」
「なになに、何話してるの?」
「いや気にするな、こちらの話だ。――しかし、未成年の飲酒など許されることでない。この質問だけ五年後を想定して答えるぞ。………と、言ってもどうやら俺は酒に弱いようでな。呑んだ後の記憶があまりないのだ。翔、お前は一切呑まんのだから全員の様子を知っているだろう。代わりに答えてくれ」
「ほいよ。んじゃあまずは親父な。親父は前と今とじゃだいぶ違うよな。前はちょっと呑んだだけで変なやつでてきてたのに、今は全然いつもと変わんない。…なんでだ?」
「俺に訊くな。……まぁ、思い当たる節がないわけではないが。…おそらく、俺が変わったからやつもいなくなったのだろうな。あいつはもともと酒には強かったのだ。ちょっとやそっとの量では酔わん上、今は翌日のことも考えあまり呑まないからいつもと変わらんのだろう」
「へえ。…よくわかんねぇけどまぁそういうことで。次はお袋だな。お袋のことは親父に任せてるから俺はちゃんとは知んねーけど、気付くと親父相手に延々なんか語ってるよな。んで親父がちょっと席立とうとしたり他のやつらの様子伺おうとしたりすると「まだ話は終わっていないぞ」だの「ちゃんと俺の目を見ろ」だの言ってる。そんでいつの間にか寝てる」
「……………」
「あーあお袋固まっちまった。そんじゃ次那月と砂月いくか。あいつらは普段となんも変わんねー。若干那月のあの馬鹿力のセーブがいつも以上にできなくなるくらいなもんか? ――次、レンな。あいつも気付くと寝てるよな、誰かしらを抱き枕にして。大概はクップルだな。あぁけどその周りの空瓶の数とか見ると弱いわけじゃないのかも」
「俺は強いよ。寝るのは家で呑んだ時だけさ。ところ構わず寝てしまってはレディたちに格好がつかないだろ」
「うおっ突然現れんなよな、びっくりすんだろ。お袋の代打か?」
「うん、まだ固まってるようだったからね。次はオトかい?」
「ああ。音也は……あいつは弱い。そして黒い。コワイ」
「俺も酔ったオトは苦手だな」
「じゃあ呑ますなよ!!」
「今のところ俺に被害はないからね」
「…いつか被害受けても慰めてやんねぇからな。最後は俺な。俺は呑まない。治ったっつってもあんま負担になるようなことはしたくねぇしな。だからしゃあないから酔っ払いどもの世話してる。つっても親父や砂月もいるからそんな大変なわけでもねぇし、俺は俺で結構楽しんでるぜ」
『一ノ瀬一家の子ども達が母の日、父の日に何を渡したことがあるかとか気になります!』
「あれは何年前のことだったか、それぞれから一本ずつカーネーションを貰ったことがあったな。あいつらにしては落ち着いた贈り物だと思いもしたが、それぞれが示し合わせたわけでもないのに同じように渡してくるものだから思わず笑ってしまったものだ」
「父の日は……記憶に強く残っているのは一昨年のものでしょうか。あまりいい思い出とは言い切れませんが」
「……あれか。あの時は…すまなかった。本当はネクタイだけがプレゼントだったのだが…」
「そうだったんですか?」
「あぁ。子どもたち全員でネクタイを一本贈ろうという話だったのだが、当日買いに行こうというときに上のふたりがいなくなっていてな。どこに行ったかも分からぬから、三人だけで買いに行ったのだ。そうして二人がお前に似合いそうなものを選び購入したのを見届け帰って見れば……」
「あの料理……とも言い難い物質の山々ができていた、と。そういうことですか…」
「まさしくその通りだ。おそらくあの時ふたりで材料の買出しにでも行っていたのだろうな。俺がもう少しあいつらの行動を敏感に察知していれば…。不甲斐ない」
「あれはどうやったって止められなかったと思います。あなたが気に病むことではありませんよ。それに、なんであれ彼らが私のためにと用意してくれたことには変わりありませんから、とても嬉しかったんですよ」
「だが食べなかったな」
「あれはさすがに無理です」
『一ノ瀬家に関して質問です。子どもさんたちが文系か理系かというのは公式設定のままなんでしょうか? 』
「公式ってなんですか?」
「お前さっき言ってたじゃねえか…。――まぁたぶんそのままだぜ」
「体育と保健体育って、文系なの? 理系なの?」
「知らん」
『子どもたちは何才までご両親とお風呂に入っていましたか?』
「俺いまでもたまに一緒に入るよ」
「俺は小4のときにそういうのは卒業した」
「僕たちは音也くんたちが来るまででしょうか。それからはレンくんとふたりで入るようになりましたし」
「兄弟とはけっこう一緒に入ったりするよね」
「そうだな。那月とは俺あんま入りたくねぇけど」
「ええっ翔ちゃんひどい! なんでですかぁ!?」
「だってお前ピヨちゃんとかおもちゃとか大量に浮かばすんだもん」
「あれっそうなのかい? 俺と入るときは口からアロマの出るピヨちゃん一匹だけだよ」
「……………色々と、マジでか」
『もしクップル先生がお母さんの唇を奪い、人間体に戻ったら家族のどの位置に入るんですか? ちなみに――』
「な……ッ!?」
「く、くちびる……うば…………?」
「マサト! ぜんはいそげ、です。さっそくためしてみましょうっ」
「あなたそんなことをしなくともなれるでしょう! 真斗さんから離れなさい!真斗さんも、放心している場合では…――あっ!」
「ふふん、なれました」
「タイミングを合わせただけじゃないですかッ! ああっ大丈夫ですか今私が消毒をしバフ…ッ!!」
「いらん」
「『ちなみに、お父さんはお母さんに消毒しようとして殴られないよう気を付けてください(笑)』……ってぇ書いてあったんだけど、もう手遅れみたいだねぇ。あれはあれで放置しておくとして、家族のどの位置に入るかだってさ、おチビちゃん」
「お前めんどくさいからって俺に振るなよ。順番的にはレンと音也の間、ってことになるんじゃねぇの? ……精神的には一番下だろうけど」
『お母さん、お父さん! どうか私に末っ子をください! 私も家族の一員にして下さい!』
『お父様。末っ子さんと結婚させてください』
「え。なにこれ、え?」
「よかったな翔、モテモテだ」
「いやいやいやいや、おかしいだろこれもはや質問じゃねえし! っつーか俺まだ中学生だしッ!」
「まあ現実的に無理な話だな。だが、それは今現在の問題であってあと数年もすれば解決されることだ。それを抜きにし誠意を持って応えてやるべきだと俺は思うぞ」
「んなこと急に言われたってよぉ…」
「いいか翔、ここが男の見せ所だ。半端な回答など俺が許さんから覚悟しておけ」
「なんでお袋こんなノリノリなんだよ…。――えぇっと、あー…わりぃ、気持ちはすっげー嬉しいけど俺やっぱまだ結婚とか考えらんねぇわ。年齢ってのを抜きにしてもほら、この家手ぇかかる兄弟だらけだろ? 今はあいつらの面倒見るだけで手一杯だし。それになにより俺まだまだ子どもだからさ、ちゃんと幸せにしてやれるって自信がないんだ。いまの俺じゃ将来ばあちゃんになったとき、俺と結婚してよかった、…って胸張って言わせてやれる自信、ない。だから俺がちゃんとしっかりした大人の男になれるまでは、……ごめん」
「……」
「ど、どーだ! せーしんせーい回答してやったぜ!」
「あぁよくやった、はなまるの回答だ。そうやってお前は知らぬ間に次々と女子の心を鷲掴むだけ鷲掴んでゆくのだな」
「はぁ!? いまのでなんでそういう結論になるんだよ!?」
『レンくんに質問です! お母さんの一番すきなところはどこですか?』
「顔かな」
「答えんの早ッ!! つーかなんかヒデェ!! 折角気ぃ使ってお袋別んとこ行かせてやったのによりによってそれかよ!?」
「いつかお袋が女装したことがあっただろう? あれが本物のレディならば一度はデートしてみたいものだと思ってね」
「お前って……」
「とまぁそれは半分冗談として。嫌いなところはないが、格別どこが好きというのもないね」
「ほほーう、つまりはぜんぶ好き! って、ことだろー?」
「…まあそう取ってもらってもかまわないよ」
『音也くんに質問です! 音也くんは将来何になりたいですか?』
「おまわりさんだよ! おまわりさんになって、父さんやレン兄のお手伝いがしたいんだ俺」
「刑事、ですか。それは初耳でしたね。――しかし、刑事になるならば私はともかく弁護士であるレンの手助けをしてはいけませんよ。弁護士は検事や刑事にとって言わば敵のようなものですからね」
「えっでもイトノコ刑事はいっつも情報くれるよ」
「あれはその度減俸されているでしょう」
「おいおいふたりとも、違うゲームの話なんかするなよ。オトがそういうデカになりたいというのなら、それを止める権利なんてないさ。そうだろう? 一緒に事件を解決できる日を楽しみにしているよオト。そのときは俺にたっぷりと情報を流してくれ」
「おう!」
「……頭が痛い」
『一ノ瀬家の皆さんへ質問です! 兄弟・両親のイメージ教えてください!』
「イメージか。そうだな、トキヤはやはりナs」
「真斗さん。そういうことではありませんよ」
「違うのか」
「違います。はぁ……翔、向こうで真斗さんに説明をしてきますから先に始めておいてください」
「らじゃー。ひとりひとり言ってったらなっがくなっからこっから時計回りに隣のやつ言ってきゃいいよな。じゃあ俺から始めるぜ」
「なんかこれ楽しそうだね。翔、俺のことどう思ってるの?」
「昔いい兄ちゃん。いま弟」
「ひっど!! いまだってちゃんとお兄ちゃんだろー!?」
「次、音也からレンな」
「無視!! うぅ………レン兄はやさしいよ。俺に何でも教えてくれるし、いろんなとこ連れてってくれるし、料理もすっごくおいしいんだ。……冒険しなければ。とにかくぜんぶだいすき!」
「ありがと、俺も大好きだよ。さて、お次は俺からナッチ、でいいのかな」
「おう」
「ナッチは少しぽやっとしていて危なっかしいところもあるけど、音楽も料理も勉強も何でもできるすごい人、かな。心から尊敬しているよ」
「ふふっ、レンくんにそう言ってもらえるととってもとっても嬉しいですっ」
「料理に関してはいささか同意しかねますがね」
「そうだな」
「おっ、戻ってきたな。次那月からお袋だぜ」
「はぁーい。お母さんのイメージは、とにかくかわいいっ、です!」
「かっ…、ほかになにかないのか」
「ありません!」
「……」
「ほい次お袋から親父」
「ナs」
「きちんと説明しましたよね真斗さん?」
「…冗談だ。トキヤは良き父親だな。よく働き、子どもたちの面倒もよく見てくれる。休日には家事も手伝ってくれるしな。助かっているよ」
「ありがとうございます。…けれど真斗さん、私は良き父親である前に良き夫であることも忘」
「ほいじゃ最後ー、親父から俺な」
「翔」
「だって長そうだもん。で、親父俺のことどう思ってんの」
「はぁ…。そうですね、あなたは年の割りに大人び過ぎです。子どもは子どもらしく、もう少し私たちに甘えなさい」
「…………ぉぅ」
『一人一人が家族の誰か一人にメッセージを送って下さい』
「これで最後ですね。先程と同じでは詰まりませんから逆回りでいきましょう。では私から真斗さんへ。――愛しています。世界中の誰よりも、深く」
「そうか。次は俺から那月だな」
「えっ」
「なんだ、まだあるのか?」
「い、いえ……いいですもう」
「那月、お前は仕事柄あらゆる場所を飛び回っているからな。国内であればまだ手助けもできるが…、無理だけはしないようにな」
「はぁいっ。…えぇっと次は僕ですね。レンくん、大好きです!」
「嬉しいよナッチ。俺も大好きさ」
「あれこの流れ知ってるぞ。…次レンから音也!」
「次の日曜空いてるかい?」
「って、おぉいそれ余所でやれよ!?」
「空いてるよ!」
「お前も答えんな!! もういい次音也の番だぞ」
「翔にだよね? うーん……あっ、ケン王の新刊買ったからあとで貸すね」
「それはサンキューだけどお前も余所で言え…」
「まったく、誠心誠意回答すると初めに真斗さんが言っていたというのに…。彼らには後でたっぷりと灸を据えるとして、最後は翔、あなたの番ですよ」
「わぁってるよ、俺こういうの苦手なんだよなー。あー、……これからも…よろしく?」
「当たり障りのない上に疑問系ですか。まあいいでしょう、こちらこそよろしくお願いします」
「以上で我々への質問はすべて終了ですね」
「うまく答えられたかどうかは分からないが、俺たちも知らなかったことや普段は聞けない本音なども知れてなかなか楽しかった。いずれまたこのような機会があれば是非ともやりたいな」
「そうですね。次回は是非、私とあなたの夫婦生活などを中心にくると良いですね。一から十まで、なんでも答えてみせますよ」
「いや、今回の質問の傾向から鑑みるにそれはないな」
「そんなばっさりと…」
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