友人から
ひとことめはお母さん









ぷるぷるぷる ぷるぷるぷる がちゃ


「はい、一ノ瀬です」


「美風だけど、那月いる?」


「あぁ、美風さん。いつも那月がお世話になっております」


「否定はしないよ。今回も那月のせいで、僕がわざわざ自宅に電話してあげてるんだからね。で、那月いるんでしょ。かわって」


「あ、あぁはい。少々お待ちください」




「もしもーし、藍ちゃん? どうしたのお家に電話してくるなんて」


「那月、携帯電話は?」


「え? 携帯電話? んーと、確か…」


「どうせ、昨日の夜飼い猫の写真撮りすぎて充電切れたのに充電しないでそのまま放置してるんでしょ」


「あ! そうそう! そうなんですよぉ! 昨日お母さんがせんせぇ用の浴衣を作ってくれたんですけど、それを着たせんせぇがとってもキュートで、たくさん写真撮ったんです! あとで藍ちゃんにも送りますね!」


「…那月、携帯の意味わかってる? たずさえ持つこと。身につけて持つこと。つまり、電源が切れたままそこらへんに放置してたらまったく意味ないんだけど。はぁ…本当にしっかりしてよ。
携帯電話の方に今後の予定をメールしておいたから確認して連絡して。それじゃ」


「はーい! いつもありがとう、藍ちゃん!」









ちなみに一ノ瀬家の電話はリビングと夫婦の寝室と二階のろうかにあります






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