「ランマルはさ、この仕事向いてるよね」 「あ? んだよ急に」 「いや、普段はこんなに愛想悪いのに、仕事になるとまるで別人みたいになるから」 「はっ、どんな仕事でも手は抜かねぇ。それがおれのポリシーだからな」 「あっそ」 「チッかわいくねーな。そういうお前はまた降ろされたらしいな」 「…そうだよ。またいつもと同じ『小言がうるさい』とか『ついていけない』とかそういう理由だろうね」 「ったく、どいつもこいつも軟弱過ぎんだろ」 「そうだね…」 「…ま。おれはいくらこの仕事が向いていようがそんなもんは関係ねぇ。いつか必ずロックで頂点に立つ。おれはおれの夢を諦めねぇ。…お前は違うのかよ」 「ボクはランマル達みたいに夢があってこの仕事を目指したわけじゃない。ただ、この仕事が自分に向いてると思っただけ」 「それでもてめぇで決めた道だろうが。一度決めたからには簡単にへこたれてんじゃねぇぞ」 「…………もしかして励ましてくれてるの?」 「…チッ本当にかわいくねーな」 「黒崎。貴様いつまで喋っているのだ。仕事をしろ」 「あぁ? んなに喋ってねぇだろうが。っつーか、客がいねーんだから仕事するもなにもねぇだろ」 「ふんっ客がいなくともできることはあるだろう愚民めが」 「んだとてめ」 「美風。貴様も無闇に話しかけるな。これでも飲んでおとなしくしていろ」 「ボク注文した覚えないけど」 「口の中に何か入れていれば無駄口を叩かずにすむだろう。それに甘いものにはリラックス効果やストレス解消効果もあるからな」 「つーかよぉ、嶺二のやつ遅すぎんだろ。焼肉奢らす」 「同感だな。自分でこの時間を指定してきたというのに遅刻とは、本当にどうしようもないやつだ。スイーツもつけさせてやろう」 「……なにこれ、あますぎ」 ほぼ10歳下が仕事に躓いてるのを不器用に励ます男二人の図 たぶんれいちゃんが集まりを企画したのもマネジが仕事またうまくいかなかったっていうのを小耳にはさんで励ます為だと思うよ 友人から 絶妙にぶっ込んできなさる |