ある日のパティシエのカフェにて




「そうだ! ぼくちんいいこと思いついちゃった〜」

「どうしたのレイジ。急に携帯なんていじりだして」

「ふふ〜ん……よしっそ〜れ!」

「ん。何だ?」

「んだよこれ」

「……レイジ。なにこれ」

「も〜っみんな知らないの? LINEのグループ招待だよ!」

「そうじゃなくて。どうしてボク達にこれを送ったの」

「えぇ〜だって4人で集まることが多いんだから、こうした方がなにかと便利じゃない?」

「しかもなんだよこの『仲良しカルテット』って…クソダサいネーミングはよぉ」

「ぼくたちみんな仲良しで、四人組だからカルテット! 我ながらぴったりなネーミング!」

「くだらん」

「ミューちゃんそう言わないで!」

「今までだって普通に連絡とれてたんだから、今更こんなの必要ないでしょ」

「えぇーだって既読表示にもなるんだよ? それに、今ちょー流行ってるし!」

「てめぇ流行りにノりてぇだけだろ。おれたちまで巻き込むな」

「いーじゃんいーじゃん! みんなでやろうよ〜!」

「1番年上のくせにだだこねてんじゃねーよ。気持ち悪ぃ」

「まったく、貴様の思いつくことは本当にくだらんことばかりだな」

「や ろ う よ 〜 !」

「…………はぁあ。わかった、やろう」

「ほんと!? アイアイ!!」

「はぁ?アイ、てめぇ正気かよ」

「こいつのお遊びに付き合う必要などないぞ」

「経験上、こうなったレイジは首を縦に振るまで聞かないでしょ」

「確かに」

「ランランもミューちゃんもこんな時だけ声あわせるのやめて!」

「ボクはみんなみたいに暇じゃないから、招待でもなんでも完了して早く帰りたいの」

「おれだって暇じゃねーよ。スーパーのタイムセールの時間が4時からあんだよ」

「俺もこの後次の新作を考えなければならんのだ。暇なわけがあるまい」

「よし。じゃあ決まりだね」

「わーい!!」

「でもそのグループ名は絶対嫌」

「えぇ〜っなんで〜? ぼくらにぴったりだと思うんだけど」

「仲良くねぇ」

「仲良くなどない」

「もうっ二人とも息ぴったり! ぼくちんヤケちゃうぞ☆」

「てめぇマジでいっぺんシメんぞ」

「こわ〜い! ランラン目がマジ過ぎ!!」

「はぁ…話が逸れてるよ」

「あ? あぁ、グループ名か。んなのテキトーに誰か考えろよ」

「その結果がそれだろう」

「ひどいっ適当じゃないよ! 三日三晩寝ないで考えたんだから!」

「チッ使えねーな」

「ボクは今のじゃなきゃなんでもいいから」

「美風、貴様も嫌なら自分で考えろ」

「そういうのは得意じゃないからパス」

「はぁ?てめぇが嫌だっつったんだから、少しはてめぇで考えやがれ!」

「無理」

「んだとぉ?」

「二人とも! ぼくの為に争うのはやめてぇ!」

「うるさいよレイジ」

「うっせーぞ嶺二!」

「あっはははは、ごめんちゃい」

「……で、どうするのだ。これでは埒が明かないではないか」

「酷いなぁ〜ぼくちんみんなと仲良しだと思ってたのにぃ〜。特にランランとはちっちゃい時から一緒でちょー仲良しなのに!」

「仲良くねぇっつってんだろ! てめぇとは腐れ縁だ!」

「じゃあそれにしよう」

「は?」

「腐れ縁。離れようとしても離れられない関係。好ましくない関係を批判的・自嘲的にいう。まさにボクらにぴったりじゃない? でも腐れ縁だけじゃつまらないからレイジがない頭で考えたカルテットを残して『腐れ縁カルテット』ってことでいい?」

「えー。ぼくの考えたやつの方がいいと思うんだけどなぁ……まぁいっか」

「はぁ…疲れたからもうなんでもいーわ」

「やっと決まったか。まったくくだらん時間を過ごしたわ」

「じゃあこれ名前変更するからみんな登録して」

「アイアイ仕事早っ! さすがは敏腕マネージャー!」

「褒めてもなにも出ないよ」

「おい、嶺二。てめぇ意味なくスタンプ連打しやがったら即解散だからな」

「えーっそれもLINEの醍醐味じゃないのー?」

「ざけんな。女子かてめぇ」

「じゃあ集まりの事以外の無意味なトーク及び、スタンプテロで即退会。これでいい?」

「異議なし」

「ふん、勝手にしろ」

「はーい」

「ふぅ、じゃあもう今日はこれで帰っていいよね。カミュ次の予定決まったら連絡して、それじゃ」









友人から


一ノ瀬家もカルテットもいちばん年下がとてもしっかりしてる






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