「ですから、あなたのかっこいいトキヤです」 「なん……だと…?」 「…………ほんの冗談のつもりだったのですが…………思いがけず大ダメージですね……」 「冗談とか言いつつ結構本気だったから大ダメージ受けてんだろ…」 「……何故あなたまで入ってきたんですか。心も身体も冷えてきたのでいい加減ドアを閉めてひとりにさせてほしいのですが……。それとも、久しぶりに一緒に入りますか?」 「入んねーよ!! ……邪魔して悪かったな。ゆっくりしてこいよー」 「ありがとうございます。真斗さんも、シャンプーの詰め替えは私がやっておきますのでどうぞ、リビングへ戻ってください」 「そうか。よろしく頼んだぞ」 「はい、任せてください。………………なんの他意もなく本当にただシャンプーを詰め替えるためだけに開けただけ、だったんですね…………」 お父さん→麻倉 お母さんと末っ子→友人 浴室は 外はもちろん家でもお母さんのまえでは絶対に完璧な自分でいたいお父さんの数少ないひとりになれる場所→お風呂に入ってるときだけは気を抜いて仕事につかれた四十路→シャンプー詰め替えわすれたお母さんが「入るぞ」と言いながらガラリ→お父さんあわてて居ずまい正しつつ、せめて一声かけてから開けてほしい、四十路のおっさんからあなたなかっこいいトキヤになる時間を与えてほしいというむねを伝えたら聞き返された→冒頭へ |