※まさかのシズイザ?
矛盾たくさん。少しだけ卑猥。
最後は臨静
「臨也好きだ」
勢いのまま押し倒された体は簡単にベッドの上に投げ出された。静雄の怪力ではしょうがないかもしれないが、もう少し情緒というものが欲しいと臨也は思う。
二人分の体重を乗せた重たいベッドのスプリングがギシリとなって、これから始まるであろう行為に想いを馳せる。
「んっ…」
まずは優しいキス。静雄のキスは暖かく、臨也脳の奥の奥まで感じさせる。経験豊富な臨也としてはテクニックもろくにない静雄のキスに感じてしまう自分の体が憎かった。しかし快楽には抗えない。はねよけようとしてももちろん力でなんて到底叶うわけがないのだから質が悪かった。
「もう感じてんのか?」
「シズちゃんが、焦らす、からでしょ」
キスと簡単な愛撫だけでズボンに主張し始めたそれを静雄が掴む。瞬間、快感が一気に流れ込んで息がつまった。それを見た静雄が肉食獣のように笑ったかと思うと、一気にズボンと下着をおろされて、外気に触れた自身がふるりと揺れたのが見てとれた。腹の上で主張したそれは既に限界寸前で、カウパーが先端をぬらぬらと光らせていやらしく光っていた。もしかしたらあまり保たないかもしれない。
「なぁ、お前のすげぇな。自分で抜いてねぇの?」
「うるさい…ヤるなら早くしてよ」
「…後ろ、慣らさないとキツいのはお前の方だろ」
そんな気遣いができるなら、今日はヤらないという選択肢が欲しかった。久しぶりの逢瀬と言えど、仕事で疲れた体にはかなり酷な行為だ。この絶倫め。
「あっ!」
そんなことをぼんやり考えていると、いきなり湿った指が奥に投入された。ローション類の準備もなかったので多分唾液で濡らしたとかそんな感じだろう。彼のごつごつした指が入り口と中を刺激する。
「ひぁっ…、あっ、」
「キツいけど、そろそろ入れていいか?悪いけど、もう限界でよ…」
指で何度か慣らしてから、臨也の痴態に我慢が利かなくなった静雄がズボンを脱ぎ始めた。こんな短い愛撫で慣れろというのも無理な話だ。彼のものは大きいし、とてもじゃないけど耐えきれる自信がない。こいつ本当にバカなんじゃなかろうか。
下着の上からでも彼が興奮しているのが充分わかって、臨也は息を飲んだ。こんなんで入るわけないじゃない…!
「やっぱ、む、無理無理、そんな大きいの入るわけない!」
「いいから、黙ってろ…っ!」
抵抗できたのも一瞬のことで、静雄はゴムも着けないまま臨也の入り口に自身を押し付けた。静雄自身も自らの先走りで挿入には問題ないほど濡れているが、いかんせんその大きさがネックだった。彼が大きく息を吐いたかと思うと、すぐにその熱の塊が容赦なく臨也の中に押し入ってきた。
「んっ…っんんむっっ―っ!」
声にならない声とどうしようもできないほどの快楽が臨也を襲い、気がつくと臨也は意識を手放していた。
「…って夢を見てまじ泣きそうになった…」
「だ、だからって、朝から盛るなあっ、あっ、ふざけんな、この、っん、ノミ蟲、やろ…!」
「だって、やっぱり立場はしっかりわきまえとかなきゃねぇ、強がってる、シズちゃんも可愛いよ。もうイきそう?」
「んっ、んっ、あっ…!」
コクコク頷く静雄をぎゅっと抱き締めると、静雄は自らの腹に絶頂と共に白濁を溢れさせた。臨也も耐えきれずにその後に続いて静雄の中に精を吐き出す。
「……っ」
意識を飛ばした静雄は規則的な寝息を立てて臨也の胸の中に収まっている。夢から覚めた途端襲ってしまったわけだし、もしかしたら起きた瞬間激昂した彼に殴られるかもなぁと臨也は思ったが、こんな美味しい状況から抜け出そうという気はまるで起きなかった。
(それにしても、やけに生々しい夢みたなぁ…)
思い返すだけで背筋が凍りそうだった。まさか自分がシズちゃんに掘られる日がこようだなんて!
眠れる静雄の汗で張り付いた前髪にキスを落としながら、先程までの出来事が本当に夢で良かったと臨也は心地よいだるさの中で目を閉じた。
「おやすみシズちゃん」
我が愛なる情報屋に捧ぐ
夢オチです。そういえば今日はエイプリルフールでしたね!←
(0401)