「あっ、だめ、だめっ、やだ、ぁっ、トムさん…!いくっ、いく」

「我慢しないでイッていいんだぞ」

トムの容赦ない突き上げに脳がビリビリ麻痺して、静雄は自分で動くという考えを放棄した。主導権をすぐに奪われて、静雄はただただ艶やかに矯声を上げる。

「やっ、あっ、だめ、いく、いくっ、いくぅっっ!!!」

「ほれ、さっさとイッちまえ!」

「いくっ…いくっ、ふあぁぁぁぁっ!」

静雄の体がぶるりと一段と強く震えると、上体を弓なりに反らして熱を解放する。薄ピンクのゴムの中に白い精液が飛ぶのが見えた。そこに何回かに分けて精を吐き出して、重い体をぱたりとトムにもたれかける。

「気持ちよかったか…?」

「…はぅ…よ、よかったです……っ……うぅ、でも、今日は、俺がリードするって、約束だったのに…すみません…」

快楽に弱い静雄は複雑な表情でトムのシャツに顔をうずめた。はぁはぁとまだ息が整っていなかったので静雄の熱い息が少しだけくすぐったい。

「気持ちよかったならそれでいいんじゃねぇ?…さてと、俺まだイッてねぇからあとちょっと付き合ってくれな?」

動くぞ。耳元で囁いて、静雄の返事も聞かずに強く最奥を突き上げる。いきなりくると思っていなかったのか、静雄はトムにもたれた体勢のまま快楽を受け止めた。

「…うあっ、やあっ、あ…あっ、だめぇっ…!あっ、あっ」

「くっ…っ」

トムに突かれる度に自分の体重で奥へ奥へとペニスが入り込んでいく。クーラーのきいた病室であっても溢れ出る汗は止まることなく二人の体を流れた。カーテンの向こうには無邪気な子供の声がしていたが、行為に没頭している今の静雄とトムには聞こえるはずもなく。

「ひんっ、ぁっ、あっ、あぁっ、そこ、そこ、やっ、だめぇ、っ!」

「ここがイイんだろ?さっきからきゅうきゅう締め付けやがって…!」

「ぁっ、トムさんの、いじわる…っ!」

「はっ…いじわるなトムさんも好きだろ?」

「あ、っ、すきぃっ…!」

きゅうう
静雄の穴がトムの言葉に反応して何回も強い締め付けを繰り返す。二人の接合部分からは、汗とかジェルとかがどろどろに溶け合って卑猥な音が止まらない。視界的にも肉体的にもトムは限界を感じていた。

「やべっ…いますげぇ締まった…っ」

静雄はトムの顔の横でだらしなく涎をたらして、体を震わせていた。熱く湿っぽい静雄の息がトムの耳元をかすめる。

「あ、ん、ぁっ、」

「静雄っ、そろそろ出すぞ…?」

「ひぁ、あ、お、おれも、いきそう…っ、あっ、いく、いくっ…いくぅぅっ!」

今まで以上に激しくを突き上げれば、またビクビク呆気なく静雄は果てた。トムの目の前には二回分の精液を受け止めたゴムがたぷたぷと揺れるのが見えた。

「…うっ、」

それとは一歩遅れてトムもぶるりと欲望を吐き出した。入院前からしばらく抜いていなかった為にいつも以上の開放感を感じる。イったばかりで敏感になっている自身を少し落ち着かせてから。少しずつ静雄の中からペニスを抜き出した。

「ふぁっ…うっ…」

ずるずると抜かれ、排泄感にも似た感覚に静雄はめまいを感じた。しばらく目の前がチカチカ光ってここが現実だということがわからなくなる。虚ろな目でトムを見つめると赤く上気したトムと目があう。
お互いにどちらともなく口付けを交わして、静雄はトムの肩の上に顎を乗せた。

「…へへ、トムさん大好きっす…」

わしゃわしゃ痛んだ金髪が頬に触れて、くすぐったいとトムは笑う。

「ありがとな、俺も今のままの静雄が好きだぜ?」

トムはちゅっと軽いリップ音を立てて、静雄の額ににキスをする。どくんどくんとうるさい心臓を抱えながら、静雄はトムの汗まみれの体を抱きしめた。

「…あの、」

「ん?どした静雄?」

「…あの、トムさんの腕が治ったら…」

ここまで言いかけて、深呼吸。
もじもじと目を泳がせてから、しっかりトムの目を見る。

「腕が治ったら、その時は抱きしめてください、ね」

「…っ!了解」

可愛すぎる静雄に理性が危うくなるのを感じたが、今はこの砂糖菓子のような空間に浸っていたかった。

そのままの格好で、二人でくすくす笑って甘い空気に酔いしれる。処理はひとまず後回しにして、何度目になるかわからない口付けを交わした。











ホスピタルラブ







甘い台詞って恥ずかしいですね…
タイトルセンスが欲しいです…切実に

あと骨折したことがないので文章中におかしいところがあったらすみません!


(0729)


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