「俺から誘っといてアレなんだが、俺手使えないからよ。慣らすのとかも全部静雄任せにしっちまって悪いな、」
「……大丈夫っす、それくらい…自分で、できます、」
申し訳なさそうな態度のトムに静雄は胸がきつくなるのを感じた。今日は前戯から後処理まで全部自分でやると心に誓って、普段よりラフなトムのズボンを下ろした。
「んっ」
舌を使ってつるりと亀頭を飲み込むと、トムが息を飲んだのがわかる。既に大きくなっているペニスを唇で挟んで上下すると、割れ目からみるみる苦い汁が溢れてくるが、それも丁寧に舌で舐めとって、血管の浮いた裏筋を下から上に舐めあげる。時折トムの艶っぽい声が漏れて、ちゃんと気持ち良くなっていることを確認する。
「…トムさんのおっきいっす」
「そりゃ、静雄が頑張ってくれてるからなぁ。両手使えなくて何が不便かって……マスかけねぇ事だよ」
入院してからシてねぇからやばいかも。トムは苦笑して、静雄に行為をやめさせた。
「自分で慣らせるか?」
「で、できます」
ズボンと下着を取り払った静雄がトムの腰あたりを跨いだ。上半身はシャツを着た状態で下には何も身につけていない。シャツの裾からは静雄の膨らんだペニスが顔を出していた。
「無理すんなよー」
「…っす」
右手の中指を根元まで唾液で濡らしてから、静雄は自らの穴にそろりと指を這わした。恐る恐る第一関節を埋めると、どうしようもない異物感が静雄を襲った。違和感を無視してようやく根元まで埋め込む。いつもトムがしてくれるように指を前後に揺らすと、弱い快感が後ろから全身まで駆け上がった。
「あっ…ん、んっ……なん、か…へん……ん、っ…」
「よーし、いいこいいこ」
本当ならば自分が静雄をほぐして気持ち良くしてやりたいのに。とトムはもどかしい気持ちを抱えて目の前で恥辱を尽くす静雄を見つめた。見られて興奮したのか、静雄は見せつけるように腰を浮かし、中に入れる指を増やしてトムを煽った。
「はっ、う、くっ、トムさんっ、トムさん、」
しとどに濡れた指が静雄の中に入っては出ていき、慣れてきたのか引っかかることなくスムーズに動く。それを目の前に見せつけられてトムはむらむらと欲望が集まるのを感じた。
「もう大丈夫そうか?」
中を抉る指がぐちゃぐちゃと水音を立てる。いつもトムの形に開かれるそこは指では足りないというように収縮を繰り返す。指が3本入ったタイミングを見計らってトムが声をかける。
「大丈夫っす…っ」
「ああ、じゃあそこの上から3段目の引き出しにゴム入ってるから着けてくれねぇか?」
「えっ…?中に出してくれないんですか?」
上目使いできょとんとする静雄に、お前意外に中出しされんの好きだよなとトムは苦笑する。
「ほら、一応病室だろ?流石にシーツ汚したらまずいしよ……退院したら思う存分出してやるからさ」
「あぁ、そうですね…………は、はい…っ」
中出しされる自分を想像したのか、顔を真っ赤にする静雄を見て、こいつをこんなにしたのは俺かぁとトムは思った。付き合いはじめはあんなに初だったのに、いつの間にこんな淫乱になったんだか。
じゃあしょうがないですよね…、と渋々といったかんじに納得した静雄が、トムに言われた通りに引き出しからゴムをひとつ取り出す。
「つうかトムさん、病室に何でゴムなんか用意してたんすか…」
静雄の素朴な疑問にトムが自慢げに答える。
「それは、まぁ、あれだ。男のたしなみ?…いつでも静雄と出来るようにかな。あ、ゴム、自分のにも着けておいた方がいいぞ」
カカッと笑うトムにこの人も大概エロいよなぁと静雄は思った。
とりあえず言われた通りにピリッと封を開けてベタついたゴムをトムに被せる。くるくる根元まで被せ終わった所で、自分のにも薄い膜を被せる。下準備が全て終わった所で、腰に跨る位置をずらしてトムのペニスを穴に当てた。ゴムに付いたジェルのおかげでねとついた切っ先が何回か入り口を往復して、覚悟を決めた静雄が一気に腰を下ろす。
「ん、んあ、あぁぁぁっ、ん…っ!…あっ、ひぅっ、あっ!」
ずぷっと音を立てて奥までトムを埋め込んだ。肩で息をしながら、ひくつく体ををなだめる。
「…大丈夫か、」
「んんっ、は…っ、はぁ…平気っす…」
トムの優しい問い掛けに、静雄は目を瞑って答える。静雄の双丘にトムの下生えが当たってざりざりとした感触がこそばゆかったが、それよりも強い圧迫に意識が持っていかれた。
ようやく体に馴染んだと思った時には既に体が上下に動きはじめていて、
「んっ、あ、ひうっ、っ、あっ、お、おく、当たって、るぅっ、あんっ」
奥にある前立腺を狙って突いて快楽を生み出す静雄。トムの胸に両手を置いて前後不覚に腰を動かす。眉尻を下げて気持ちよさそうに喘ぐ姿はまるで娼婦のそれだ。下からそれを眺めていたトムは両手の不自由さを感じながらも、腰を使って目一杯静雄を愛した。
「静雄はやらしい子だなぁー。もうイきそうになってねぇか?」
「あっ、やだ、言わ、ないでくださ…!あっ、んっ…!…ふぁ…っ、っ、あ、」
実際に静雄の大きくなったペニスは高々と上を向いて解放を今か今かと待ちわびている状態だ。ゴム越しのペニスはとても窮屈そうに揺れていた。
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