「ひ…っ」
くぷっと音がして先端部が秘部に飲み込まれていくのがわかった。徐々に奥まで入り込んでくる。冷たくて硬いそれに恐怖で肩がぶるりと震える。だが意識とは裏腹に、反射的に収縮を繰り返す己の浅ましさに涙が出そうだった。
わざといい所に触れない臨也は、焦らしながらも俺を高めていく。
無遠慮に突き立てられた異物をゆっくり出し入れされ、溜まっていた涙が頬を伝って落ちた。どうしようもない屈辱だった。
荒くなる抜き差しに次第に限界が近づいてきて、無意識に内股同士を擦り合わせた。
「や…っ…はぁ…!いっ…だめ…ぇ、イっちゃ…ぅ、イく…っ…」
「まだだーめ」
「くぁ…っ!」
限界寸前の自身を、紐できつく結ばれる。ぎゅうっと強く締められて、熱を解放できない下半身がびくんびくん震える。行き先を失った快楽がぐるぐる体を巡って鳥肌が立った。
透明のカウパーが先っぽを濡らして光る。
「ねぇ、本当に何入れられてるかわからない?」
「そ、んなん…っ知るか、よ!」
「…しょうがないなぁ。じゃあお馬鹿なシズちゃんに特別に正解を教えてあげるね」
ふいにずぽっと濡れた音を立てて後ろに刺さっていた異物が抜かれた。腸液でぬらぬら光ったそれが目の前に曝され、絶句する。
(嘘、だろ…?)
「正解はにんじんでしたー!」
こんなので感じるなんてシズちゃんって本当に気持ち悪い!
くすくすと笑い声が降ってきて、思わず臨也を睨みつける。今の俺にできる反抗はこれぐらいしかない。
「ははっなにそれ?もしかして睨んでるの?そんな顔で見ても煽ってるようにしか見えないよ!」
臨也は俺の涙をべろりと舐めて、池袋最強が笑わせるよね!とひどく蔑んだ目をした。赤く鋭い眼光に一瞥され、不覚にも鳥肌が立ってしまった。ぞわりぞわり。心臓がドクンと跳ねる。高まる鼓動を隠したくて目をぎゅっと閉じる。悔しさに唇を噛み締める。ありえない。まさか、そんな、
溢れたカウパーがだらだら幹を伝う感覚が気持ち悪かった。
「…なぁに?俺に見られて興奮してるの?」
「っ!」
体中に溢れたおぞましい考えは容易く臨也に読みとられたようで、こちらを見る赤く深い双眼は、まるで汚いものを見るように細められていた。
ぞくぞく。背筋に緊張が走り、肌が粟立つ。
(ありえねぇ…っ!)
今、俺は臨也の冷たい視線に興奮してるだなんて。
(嫌だ嫌だ!認めたくない!)
「うぁ…見んなァ…!ぁぁっ…!」
「あ、当たり?見られて感じちゃった?ここヒクヒクしてるもんね。…ほら、どうして欲しいか言ってみなよ?」
「ふぁ…あん…っや、もっ……い…いから、イか…せろ!早くこれ…と…取れよ…っ…ぉ!」
肥大する自身に食い込んだ紐がギリギリ締まって苦しい。イきたいのにイけない。次第に頭が真っ白になってイくことしか考えられなくなってくる。悪戯に自身に触れる臨也の手が憎い。頼むから中途半端に触らないでくれ!
手すら縛られてなかったら大嫌いな臨也が見ている前でも関係なく自慰をしているだろう。自身はそこまで切羽詰まっている。
臨也の視線に興奮した?もうそんなことはどうでもいい。理性などとうの昔に消えてしまった。
「あはっ、もう我慢出来ないの?シズちゃんってば淫乱!」
「ぁ…っ、いい…から!…はや…くっ…いざ…や……あぁ…あ…っ」
「はぁ、しょうがないから上手くおねだり出来たらイかせてあげるよ。」
俺って優しいでしょ?
「今のシズちゃんはうさぎなわけだから、俺にそれらしいおねだりしてよ」
朦朧とした頭に聞こえるのは絶対的な臨也の声。溶けきった脳内には嫌だとか恥ずかしいとかそういう感情が消えてしまっていた。早く早く。体は開放を求めて揺れている。喪失感にひくひく動く後孔が辛い。赤黒く変色した自身は萎えるばかりか興奮に震えている。
「…臨…、の……くださ…」
「何?聞こえないよ?」
素直になれば、気持ち良くなれる。頭にはそれしか浮かんでこない。
俺は湿った空気を飲み込んで言った。
「俺、の中を、臨也の、にんじんでぐちゃぐちゃに、して…ください!!」
「……まぁ、シズちゃんにしては上出来かな」
ニィと笑った臨也は取り出した自身を俺の体内へ突っ込んだ。同時に結ばれた紐が解かれて、血液が一気に流れ込む。感じたことのない熱さと質量に限界寸前だった体は簡単に追い詰められ、
「あっ、あっ、イく、イっちゃ、あ!あっ、あぁ…!」
「イけよ、変態」
「…ふぁ!あ…あぁぁあっ!」
罵倒さえも快楽となり、俺はあられのない喘ぎと共に射精した。
スーパーラビット
うさぎがもはや空気
ニンジンプレイがやりたかったのに不完全燃焼におわる
(0702)