*臨也が女の子で生理ネタ
ちょっと聖☆高校生パロ











「あ」

それは臨也の第一声から始まった。

「シズちゃん…生理きちゃった」

「…は……?」

せいり?と、静雄は頭の中で反芻し、臨也の言った言葉の意味を考えた。そして意味を理解した瞬間ぼっと顔の体温が上がる。それを見て臨也はニヤニヤと笑った。

「シズちゃん顔真っ赤だよ?」

からかうような口調で告げると、照れを隠すように静雄は近くにあるゴミ箱を蹴り飛ばした。べこんと大きなへこみを作り、音を立てて落下したゴミ箱がガラガラと転がった。

「てめぇ!男の前で軽々しく…せ、生理とか言ってんじゃねーよ!てめぇにはデリカシーってやつがないのかっ!」

「へぇ〜。まさかあのシズちゃんにデリカシーがないなんて説教されると思わなかったな〜俺ショック〜」

その単語を口に出すのも恥ずかしいのか口ごもる静雄に思わず吹き出しそうになる。思春期じゃないんだからと心の中で呟いて、なおも笑いそうになる口をこらえて臨也は続けた。

「あはは。まぁいいや、とりあえずシズちゃん、お使いしてきてくれる?」

俺今のままじゃ困るしさぁ、はいこれメモ。と、臨也はにっこりと微笑んで、眉間に皺を寄せた静雄に買い物リストを書いた紙を渡す。何だよと静雄がメモを見るとそこにはとんでもないことが書かれていた。


・生理用ナプキン(昼用羽つき)
・サニタリーショーツ


「あ、ちなみにパンツはシズちゃんの好みで選んできてくれていいからね。」

あーシズちゃんの選んでくれたパンツとか興奮するなぁー!楽しみー!

楽しそうな臨也とは逆に、静雄はメモを見て固まる。普段見慣れない単語なだけに、書いてあることを理解するのに数秒かかったのだ。
そして意味を理解した静雄は顔を赤くし、拳を震わせながら叫ぶ。

「こんなもん買えるわけねぇだろおおおおおおお!!!!!!!!!自分で買いにいきやがれこのノミ蟲がぁぁぁぁぁぁ!!!!!」!

「わ、シズちゃん耳まで真っ赤!可愛い〜」

こいつぶっ殺してやろうか…?と静雄の殺意が本格的なると、それを察した臨也は楽しそうな声で困るのは静ちゃんだよ?と言った。

「シズちゃんがナプキン買ってきてくれないなら、部屋中経血だらけになるかもね。あ、そうそう弟くんからもらったバーテン服も全部血で汚れちゃうかも。うん、もちろん不可抗力だよ?血の汚れってなかなか取れなくて嫌になっちゃうよね!」

にっこりととんでもないことを言ってのける臨也。こいつは平気でそういうことをやってのけるので油断ならないと、長年の付き合いで身を持って体験している静雄は思った。これはやはり素直に買ってくるしかないのだろう。

「…くそっ…買ってくりゃいいんだろ」

大きく舌打ちをし、ぐしゃりと先ほどのメモを握り締めて玄関に向かう。後ろで臨也が行ってらっしゃーいとひらひら手を振っていた。



***************



「シズちゃんおっかえり〜」

「…………」

「ちゃんとおつかいできたあ?」

「………おい」

「なに?」

「てめぇが今穿いてるの。それは何だ」

「え、何ってシズちゃんのパンツだけど?」

見てわかんないの?シズちゃんってば自分のパンツもわからないの?バカ?と静雄の怒りの琴線に触れるには十分な声で臨也は続けた。

「聞いてるのはそこじゃねぇ!何でお前が俺の下着を穿いてんだ!」

「えーだってーこのままじゃ自分の下着汚しちゃうしー周りに着替えるものがこれしかなかったんだよー」

「いや、つうかそれじゃ俺のが汚れるじゃねえか!!!」

「もう、男の子なんだから我慢してよ」

それより、といまいちよくわからない理屈をこね、勝手に話を完結させた上、話題を変えられる。臨也は静雄の持っているビニール袋を奪い中身を確認した。中にはきちんと頼んだものが入っていた。昼用羽つきとピンクのシンプルな下着。

「おお!ちゃんとお使いできたんだね!偉い偉い!さすがシズちゃん!」

間違えて介護用オムツとか買ってきたらどうしようかと思ったよー。だってシズちゃん馬鹿だしー。とかなんとか言いながらがさごそと袋を漁る臨也。もはや言い返すのも疲れた静雄はため息をひとつ吐いた。

「わかったなら早くパンツ返せ。」

「え?今ここで脱げって?シズちゃんのえっちー」

「いいから!もうどこでもいいから着替えてこい!!!」

からかい口調でそう言うと顔を真っ赤にした静雄が叫ぶ。叫ぶついでに近くの棚に手を掛けたので、身の危険を感じた臨也は素早くトイレへ逃げ込んだ。
浅く便座に腰を掛けてくすくす笑みを零す。

臨也はあの池袋最強と謳われる男がこれをどんな顔で買ったのだろうかと想像してみることにした。それは思いのほか滑稽であり、思いのほか誠実だった。

(へぇ、シズちゃんはピンクの下着が好みなのかあ)

買ってくれた下着をまじまじと見る。ベビーピンクの真ん中に淡いレースがついたそれ。普段自分では買わないタイプのものだった。

そうかそうかピンクか。シズちゃんは可愛めで清楚な下着が好きなんだなと臨也は思った。今まで黒ばっか買ってたけど、次からはシズちゃんの好きなピンクを買おう。その時彼は一体どんな反応をするだろうか。考えただけでちょっと楽しい。

臨也は今まで穿いていた静雄の下着を近くのゴミ箱に投げ込んで、手に持っていた下着に履き替えた。
そしてトイレドアノブを開けて、シズちゃん似合う?ととびきりの笑顔で問いかけた。








PINK!







ひとつわかったことがある。
私はパンツネタが好きらしい。


(0626)


「#お仕置き」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -