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五日目。ヒソカ少年が練習帳のおかげかひらがなをマスターしたため、今日は遊びに行こうと言うことになった。漢字はおいおいしていけば良いし、基本的なひらがなカタカナさえ読めれば一応どうにかなる。
「どこに行こう」
「予定立ててないの?」
「立ててない」
今朝ひらがなをマスターしたことが確認されたというのに、どうして予定が立てられていると思うんだ。
「とりあえず、そうだ、遊園地に行こう」
あのぼったくり遊園地に行こう。マクド☆ナルドのハンバーガーが二割増しの値段なんてふざけているとしか言いようがない。まあマクド☆ナルドなんて食べないが。どうせジャンクフードだ、ファーストフードを食べる気になれない。私は、アメリカ人が太っている原因の一つはマクド☆ナルドのせいだと考えている。前にもドナルド・マクド☆ナルド氏はアメリカ人を肥満に導く悪の手先として批判されていたし。その記事を読んだ時には爆笑したが。
「遊園地?」
「そう。遊園地に行ってフリーフォールに乗るんだ」
私は絶叫系が大好きだ。もっとスピードを上げれば良いのにと思ったこともしばし。
数年前関西弁の友人と夏休みに行った、もう閉園してしまった某万博な遊園地では風神雷神とオロチが大好きだった。友人を無視して五、六回連続で乗って、帰り際にもまた乗ったくらい好きだった。もうないが。
「フリーフォール?」
「椅子に座って、高いところから落とされる遊び」
「変なの」
ヒソカ少年は身長制限で無理かもしれない。
「いざ出陣」
おにぎりを持ち、お茶も持ち、私はヒソカ少年と家を出た。
遊園地と言うものがいまいち良く分っていないヒソカ少年に説明をしながら電車を乗り継ぎ、一日パスを買って中に入る。
「フリーフォールから行こうか」
「う、ん」
異世界と表現して差し支えない異様な雰囲気に圧倒されたらしいヒソカ少年は緊張した面持ちで頷く。
ヒソカ少年はフリーフォールの身長制限に引っ掛からなかった。職員が私たちの腕に巻かれたパスのバーコードを読みとり、隣同士に座ってストッパーを下ろす。これがなければもっと楽しいだろうに。
録音された音声の後に私たちはぐんぐん上にあがっていく。ヒソカ少年がヒッ?! と息を飲み込んでいるのを聞いてにやける。
「は、わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
哀れヒソカ少年は悲鳴を上げ、私はしみじみと思った。
ハンター世界にもちゃんと普通の感性を持った人間がいるようじゃないか、と。誰もかれもが人類の限界を突破するわけではない、と。
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