ウルキオラがじっと私を見つめてる。腕組みをして、柱に背を預けて立ちながら私から目を離さない。私のお目付け役だから仕方ないんだけどね。

 力を使う時以外、私は五歳児の姿で過ごしている。ちゃんと理由があるよ? 先ず私の垂れ流し気味の霊力を封じるため――封じたら十二歳くらいにまで縮んだ。それと、みんなが私の霊力に封印をかけたからまた縮んだ。

 風変わりな進化をした私だからか体調不良になることが多く、遊びに行った先で倒れることもある。熱を出すとか血を吐くなんてことはないけど――一定以上の疲労が溜まると、そこらへんの弱い虚を食い散らかしちゃったりする。本能だからなかなか止まらない。

 だから、はた迷惑だから外に行かせるな! もしくは捕まえやすいように力を封印しとけ! というエスパーダ全員の意見により捕まえやすい霊力量にまで封印されたわけ。言っておくと私は強い。滅多に戦わないから私自身把握しきれてないけど。だから一度暴れだしたら(みんなが)大迷惑なんだ。

 私が暴れない(疲れ過ぎない)ようにつけられたのがウルキオラで、時々グリムジョーやザエルアポロ、ノイトラが交代してる。原作で覚えてたのがこの四人だけで他のみんなより気安いからなんだけど、四人ともなかなか私に甘い。呼べば遊んでくれるし。行きたいって言えば人間界にも連れてってくれるからなぁ。――それで良いのか虚。








 中庭の一角に造られた公園をじっと見る。そこでユリエルがブランコを漕いだり砂遊びをしたりして遊んでいるのを見ていると何故か胸に温かなものが広がる……。

 だがだんだんとユリエルの動きが緩慢になっていく。見た目は幼いが中身は大人だ、子供の遊びに飽きたんだろう。


「ん……」


 違った。眠いらしく目を擦り、はっきりしない声を上げる。だが室内に戻るつもりがないのか、座り込むと花をぶちぶち千切り荒し始めた。


「ユリエル」

「何? ウルキオラ」

「眠いなら部屋に戻れ」


 うとうとして頭を振るユリエルに言えば、よほど眠いらしい、頷いて両腕を浮かせた。脇に手を差し込み抱き上げる。


「ウルのあほー」


 ユリエルの霊力は小さい体には大きすぎる。それを無理矢理押し込んでいるのだから不調をきたすのも道理だ。防衛本能なのかユリエルは一日の大半を寝て過ごしている。すまないが諦めてもらう他ない。


「阿呆ではない」


 眠気ゆえの軽口にそう返したが、ユリエルは既に夢の中へ旅立っていた。

 小さいが確かな重みのある体、わが身を守るためというより仲間を守るために特化したのだろう能力。辛いと言えば良いのに、もう嫌だと駄々を捏ねれば良いのに、ユリエルは甘んじて能力の封印を受け入れている。元の姿に戻ることができるのは長い時間のほんの一握りもない――


「いや、阿呆か……」


 自分たちもユリエルも。


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