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 金を産むガチョウに怪我一つなく、迫る格下を撃ち殺しエスコートしたからだろう、今オレはノストラードファミリーのアジトで酒を飲んでいる。度数がきつすぎるわけじゃねえが、酔って判断力を落とし――有利にことを運ぼうとでもしてんなら無駄なこった。あっちとすれば強いボディーガードと有利に契約してーんだろうがな。


「娘を救って下さり感謝する。これは心ばかりの礼だ――受け取ってくれ」


 娘がいなけりゃ何の判断もできねーとは情けねえが、間違った判断で部下を殺すボスよかマシだ。嫌いじゃねえが好きでもねー相手だな。


「オレが勝手にしたこと、礼を言われるほどのことでもねぇ。マフィアは女を大切にするもんだ、だろ?」

「うむ、しかしそう考えられる者は少ない。リボーン殿には全く、どれほど感謝してもしきれん――リボーン殿はネオンのことをどう思われる?」


 もう少し捻れ、と思わんでもない。嘘の吐けない男だとは分かるが頭も足りないようだ。これであの娘に何かあればノストラードファミリーは潰れるな。


「マフィアの中に育ったにしちゃ真っ直ぐだな」


 危機管理能力に欠けているとも言う。


「ああ、ネオンはなかなかお転婆なところがあるのでな……良いボディーガードを付けたいと常々思っているのだが――如何だろうか? ネオンも貴方を気に入っているようだし」

「さっきも言ったが、オレはヒットマンだ。暗殺はするが護衛は仕事の内じゃねー」


 適当なところで話を切り上げ、殺したい奴がいればメールしてくれと仕事用のアドレスを伝える。オレの能力はネオンをここまで連れ帰ったことからわかっているだろう――どんな依頼が来るんだかな。楽しみだ。

 ママンが喜んで手を叩いてる。どうやら正解だったみてーだ……良かった。


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