06



 ヒバリはだいぶ長いことノストラードの娘を護衛してたが飽きたからと、まだ中で観戦に回ってるママンの代わりにオレが出ることになった。オレとヒバリの類似といえば黒髪黒目であることくらい、学ランを脱ぎバサリと振ればスーツに変わる。勢い良く羽織る瞬間に顔も体格も――人種でさえも変えてしまう。これだからママンには一生勝てそうにねーんだ。髪をかき上げオールバックにし、視界の端に女を認める。


「久しぶりに出たと思えばマフィアの護衛か……おもしれー」


 ヒバリはただ強え奴と戦うことしか考えてなかったみてーだが、マフィアにヒソカとして名前と恩を売っとくのも悪くねえ。ついでにオレがベースをママンと呼ぶ理由といや、ヒソカが二人いると呼ぶ時区別がつかねえからだ。ヒバリはママンを白髪と呼んでるみたいだがな。名前で呼ぶ奴、母さんと呼ぶ奴それぞれだが、何で父さんじゃねえのか聞けた奴はいねー。


「ヒバリ君?! ななな、なんで姿が?!」


 ネオンっつったか、ノストラードの娘はオレを指差し叫んだ。


「ヒバリの代わりにオメーを護衛するからよろしくだぞ。オレはリボーン、ヒットマンだ」


 ヒバリからオレに変わるところを見たネオンが口を半開きにして驚いてんのを見てニヤリと笑む。説明しなくても良いだろう、適当に誤魔化してりゃ勝手に勘違いするか正解に辿り着くだろ。


「ヒバリの代わりに、オメーをこの上なく安全に屋敷までエスコートしてやる」


 せいぜいオレとママンと――どうでも良い奴らの足掛かりになってくれ。マフィアは女を大事にするが一言も「利用しない」とは言ってねえんだ、オレのためひいてはママンのために、名の知られた予言者には広告塔となってもらおうか。


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