09
ルッス姉が戦うってんで、持ってろとサングラスを放り投げられた。んー、なんてーか……このザンザスは原作のとちょっと違うっぽ。感覚的に?
「ザンザスなぁ――」
「どうしたぁローンディネ」
意外と優しいザンザスについて考えてたらスペルビが不思議そうに見降ろして来た。後ろから抱きしめられてっから顔が逆さだ。
「んー? いや、ザンザスが良い男だなと思ってんたんだ」
「ああ、そりゃあボスだからなぁ――って、う゛おぉぉい!? それはどういう意味だぁローンディネ!!」
「言ったまんまだぜ? 男らしくて憧れるよな!」
なんだよ、オレに捨てられるとでも思ったのか? オレがスペルビを捨てるわけねーだろこのバカ。手をメガホンにして耳元で言うと真っ赤になるし、あー、バ可愛いってこういうのを言うんだろうな。マジでバ可愛い。
そうやってツナ達が来るのを待ち、オレとスペルビがイチャイチャしてんのを見てツナが悲鳴を上げるのを笑いながら見た。獄寺はホラ、出身がイタリアだからな。あん中で一番理解が良いのは獄寺だろうな。
「な、何こ――や、山本!? なにしてんのソレェェェェ!?」
「何って、イチャイチャ」
「ナニもしてやったがなぁ。なあ、ローンディネ?」
「下ネタきもい。黙れスペルビ」
「なぁ゛っ!?」
調子に乗ったスペルビがニヤニヤと笑いながら言ったのに肘鉄をし、両腕から力が抜けたのを良いことに抜けだした。
「ツナにはすまねーんだけどさ、これがオレの恋人なわけよ。だから雨戦以外はこっちにいさしてくれねーか?」
「いや、うん、えっと、それで良いよ?」
混乱てるのが誰の目にも明らかなツナが、目を回しながら頷いた。よし、言質取った。獄寺はある意味ツナに恋してっからオレの気持ちも分るんだろう、嫌そうな、だけどまあ理解はしてくれてそーな目を向けてきた。なんだよわりーか、こっちはラブラブなんだぜ。離れたくねーの仕方なくね?
「説明いたしますのでこちらにご注目ください。今回、用意しましたのは、晴れの守護者の勝負のために我々が用意した特設リングです」
と、パンパンと手を叩いて黒マスクのねーちゃん達が説明を始めた。まあこんなことで時間つぶしても意味ねーし、さっさと始めてさっさと終わらせるのが吉だな。
「――んしっ! 楽しみだなっ!」
人の試合を見るのは楽しい。オレが戦うのも楽しみだ。雨戦でスペルビに勝てるか分んねーってか、お互いの手が分ってるから対策を互いに練れちまうもんだから試合じゃなくて死合いになりそうな気もするけど。
さて、雲戦に体力残せるのかね……?
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