07



「山本ぉ?!」

「ツナおひさー。っていうか久しぶりって言うにはそんな日が空いてねーけど」

「ローンディネェ!! テメーが出ると和気あいあいとして進まねーから引っ込んでろぉ!」


 レヴィがランボを襲撃して、リング争奪戦メンバーが(雲雀以外)揃った。


「よくも騙してくれたなぁ、カスども!」

「で、でた――!!」

「あんにゃろう!」


 ツナと獄寺が息を飲んだり毒を吐いたり。オレは仕方ねーからスペルビに押しやられるまま後ろに下がる。もっと恋人は優しく扱えよな。


「雨のリングを持つのはどいつだぁ?」


 ツナがオレを見つめる。オレもツナを見つめる。――やっぱりオレのつもり、だろうな。リボーンを見やれば、その通りと言わんばかりに頷かれた。


「あー、スペルビ。雨の守護者候補オレだわ」

「あ゛あ?!」

「シシ、意味分んないしー。ローンディネはヴァリアーのだし」

「貸し出しても良いけど金取るよ」


 なんでマーモンが金を取るのかが分らねー。でも、身内として受け入れてくれてんのは嬉しいな。


「だってほら、オレ元々向こうだし?」

「お前は俺らの雲だろぉが!」


 責めるように言ってくるスペルビのとげとげしい言葉が逆に嬉しいのって重症じゃね?

 と、リボーンが眉間にしわを寄せて呟いた。


「ローンディネはフリーじゃなかったのか?」


 訊ねるように見てくるリボーンに頷きを返す。オレもまさか雲の守護者に選ばれるとは全く思ってなかったし、モスカがどうなるのかさっぱり分らねーままだし? ツナ側とザンザス側で守護者の位置が重複しなくて良かったのか、良くなかったのかまだ分らねーけど……とりあえず言いたいのはそれじゃなくて、オレに日常を返してくれ、みたいな?


「今でもフリーだぜ? 無理やり押し付けられたってか――なし崩し的な?」


 そんな友好的なようでそうでもない会話をしてると、後ろから威圧的な気配が近付いてきた。


「のけ」


 ――ザンザス。なんてーか、やっと話が前に進んだ気がすんだけど、ただの気のせいか?


「ザンザス……!」


 見慣れると意外と可愛いザンザスがスペルビを押しのけ前に出た。未来編みてーに伸ばせば良いのに、髪。それともあれはアレか? 後退する生え際を隠すためか?


「わぁ!!」


 殺気に怯えたツナが尻もちを突き、ザンザスは憎い敵をようやく見つけたとばかりにツナしか目に入ってねぇ。左手に憤怒の炎を集めだし、ヴァリアーの皆は緊急避難した。

 その後はツナの親父さんが乱入したことにより炎が霧散し、リング争奪戦を行うことでどちらがより守護者に相応しいのか決めることになった。

 雲戦、負ける気はしねーけど……雨戦で疲れ果てた体に鞭打って戦えってことなのか、これは。


7/10
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