01
気が付けばジャパン。
――ふざけてるわけじゃない。本当に気が付けば日本だた。看板は全て日本語で、なつかしい白○屋とか村○来とかいう居酒屋の名前が目に飛び込んでくる。昼間だから人通りもあるけど、夜になると帰宅前のサラリーマンでごた返すだろう。道の真ん中で立ちつくし、頭を振って裏通りに戻る。
「いたいどういうことね……」
任務の関係上スーツを着ていたから悪目立ちせずに済んでるが、元々の服装のままここに来ていたらコスプレ野郎として白い目で見られるに違いないね。でも今は昼間で、違う意味で悪目立ちしてる。
さっきまでのワタシと同じように気絶していたクロロとヒソカが不思議そうにワタシを見た。二人には良く分っていないようだ――分てたらワタシと同じ転生者だったということになるが。
「どうしたフェイタン。何かあるのか?」
「団長……先ずシャルとマチを起こすね。話はそれからよ」
「ならマチはボクに任せて☆」
ワタシと団長の下敷きになたマチとヒソカの下敷きになたシャルはまだ気絶してる。ヒソカがマチの耳に息を吹きかけるのを横目で見ながらシャルの頬を叩き、起こす。
「起きるね」
「痛い、フェイタン手加減しないから痛い!」
「愛の鞭ね」
マチがヒソカの首を狙うけど、ヒソカはクツクツと笑いながら避けてる。こんな狭い中でよくやるね。手を叩いて注目を集める。
「単刀直入に言うよ。ここは、異世界ね」
「異世界?」
「そんなのあったんだね☆」
「眉唾にしか聞こえないんだけど」
「激しく同意ー」
マチとシャルはあとで後悔すると良いよ。
「団長はジャポン語分るはずね。見れば分るよ」
ビルとビルの間、通りからは一歩陰に隠れた場所に倒れてたから、外の状況を確かめに行たのはワタシだけ。クロロを先頭に顔を出せば、クロロが目を見張た。そして再び引き返す。
「時々形が崩れているがジャポン文字だな」
「あれは崩れてるんじゃなくて崩してるね。装飾文字や違う時代の文字を使ってるからああなるよ」
「ほお……興味深いな」
クロロがうんうんと頷いてるけど、他の奴らは分てないんだから自己完結しないで欲しいよ。
「ジャポンでもジャポン文字の看板は多いよ。でも必ずハンター文字のルビが振てあるはず。ここの看板にはそれがなかた。だからここは違う世界のジャポンと考えるべきね」
だけどこれだけで納得しないのがクロロがクロロたる所以ね。
「待て。ここが異世界だというのは信じるほかないとオレも思う。だがフェイタン、何故お前はジャポン文字が分る? ノブナガならまだ分らなくもないが」
頭の回る奴ね。
「それは……」
四人の目がワタシを突き刺す。出来るなら死ぬまで秘密にしてたかたけど、無理そうね。
「ワタシが一時期、この世界かもしくはコレに似た世界にいてたことがあるからよ」
転生なんて奇抜すぎるから、違うように意味を取れるよう言た。
「そこもジャポンみたいな国で、縁あてジャポン文字が分るようになたね」
ここが元の世界だたら、ハンターハンターの漫画があるはず。絶対に四人には見せちゃ駄目ね。未来を知ることになってしまう。
と、後ろの方で大声がした。
「待てよリボーン!」
「待たねーぞ。ダメツナ、キリキリ歩け」
駆け込み寺発見ね。ニヤリと笑たワタシを見て、シャルとマチが顔を青ざめた。
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