06



 オレとスペルビが付き合いだして数日。ついにボンゴレリングが偽物だとばれた。裏の世界ではローンディネとして有名なオレとはいえ、オレがボンゴレリングに詳しいはずがない。オレが怒られる道理はなく――スペルビは可哀想にもワインをかけて怒られた。


「う゛お゛おい!……偽物を掴ませやがってえ゛!!」

「まーまー落ち着け、もちつけって」


 今日本でどうなってるのかは知らねーけど、オレが雨の守護者なのは確かだろう。オレ以外に適任いねーもんな。


「まあ騙されちゃったのはもう仕方ないわ。重要なのはこれからどうするか、でしょ?」

「この役立たずが」

「んじゃあこれからりょこー? 日本に?」

「交通費と宿泊費はもちろんヴァリアー持ちだよね?」


 それぞれらしい反応をして四人はちょっと浮き立った。海外旅行、それもアジアまで行くような仕事はここ数年なかったからだろうな。たしかここ八年の間は謹慎処分だったんだよな――そう言いつつも平気で外に出てたみてーだけど。


「オレも親父に言わねーといけねぇことできたし、日本に一回戻んなきゃな」

「んだぁ? 何を言うんだぁ」


 スペルビが訝しげにオレを見やった。


「何ってそりゃ、スペルビ分んねーの?」

「う゛ぉい、引っ張るなぁ」


 眉間にしわを寄せるスペルビにニカッと笑う。


「恋人ができたってな」

「きゃあ熱いわねぇ!」

「しし、スクアーロ真っ赤」

「見たくもないスクアーロの赤面なんて見させられたんだ、慰謝料を要求するよ」


 レヴィはどうでも良さそうだ。


「あ゛ー……そう、だな! お前の親にも言わねえとなぁ!!」


 嬉しそうなスクアーロに笑んで、日本に帰ったらどうするか考える。時雨金時があればスクアーロに勝てるだろうことは間違いない。五分五分だと言ったのはやっぱ――オレは雨の守護者だからな、水場じゃねーと本気の半分しか力が出せねーから。今まではこっちが水場に誘導して戦ってきたけど、この欠点も早いとこ直さねーとヤベーだろうなぁ……。


「日本行きが楽しみだぜ」


 ――そう、ホクホクしてたのが悪かったのか。









「――おい、ローンディネ」

「え、オレ? オレに何?」


 ザンザスが日本行きを最終決定し、日本行きが決まった後。ザンザスに呼ばれてオレは椅子を立った。骨ばった指がオレをついと指差す。


「テメーが雲の守護者だ」

「――は?」


 モスカは?


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