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 僕の修行は主に草壁や並盛風紀委員会の皆が見た。基礎固めは研究所で出来てたし、はっきり言って草壁から学ぶことと言えば、勉強と殺さずに相手を再起不能にする方法だった。――とは言っても、今まで息の根が止まるまで攻勢を崩さなかったのを死なない程度に加減するってだけなんだけどね。

 ある日、修行がなしになった。引き取られてから数カ月、珍しいこともあるものだね。


「××、沢田綱吉のところに行くよ」

「何で?」

「君と会いたいとか言ってるよ」


 何で会わなきゃいけないんだろう。どんな風に成長したかとか知りたいんだったら資料を読んでれば良いし、僕の異能について知りたい場合も資料にあるだろうに。変なの。


「やあ沢田綱吉」

「お久しぶりです、雲雀さん」


 僕のためなのか、それとも母語が日本語だからなのかは分らないけど日本語で交わされる挨拶。雲雀恭弥に頭を軽く押され、傾げるように頭を下げた。


「雲雀××です」

「引き取ったって言ったましたからね」

「うん、××って名前にしたよ」


 転生する前の名前だと女らしすぎるから、雲雀恭弥に決めてもらった。××、五十五号と比べてだいぶマシだよ。最近やっと呼ばれ慣れてきたし。

 沢田綱吉を見上げれば漫画の一世にそっくりだった。父親はあれなのに、隔世遺伝もここまで顕著だと父親も可哀想だね。横に並んで立って「どっちが美男?」って聞いたら十人が十人沢田綱吉って言うと思うよ。


「久しぶりだね、××君。君に会いたくて、でもオレはここから離れられなくて。申し訳ないけど雲雀さんと××君に来てもらう形になったんだ」

「ボスなんだから忙しいのは当然でしょ。責任を負ってる人間が回転椅子で遊んでるようだったらその集団はすぐに潰れるよ」


 そう言うと沢田綱吉が少し頬を染めた。隣に立つ赤ん坊が「就任してすぐのお前そのものじゃねーか」と鼻で笑ってる――アルコバレーノのリボーンか。一目で分る実力の差に興奮を覚えるね……わくわくする。きっと僕は何発も打たれるのを許すだろう。避けられなくて。右手を差し出して急き込むように言う。


「君がアルコバレーノのリボーン? よろしく、今度戦ってよ」

「知ってたのか。――ああ、なんなら今からでもするか?」


 僕は雲雀恭弥を見上げた。


「僕とも戦ってよね、赤ん坊」


 僕は雲雀恭弥の後ということになった。


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