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オレの可愛い木の葉をこんな暗い場所(暗部総本部)に連れ込みやがって、後で紅狼死ぬほど後悔させてやる。まあだがあいつのおかげでオレと木の葉が感動の再会できたわけだから全くあいつが悪いわけじゃないな。よし、半殺しで済ませてやろう。
「木の葉、この姿のオレは金狐だ。金狐」
「禁錮?」
ははは、それじゃ犯罪者を監獄に閉じ込めることだ。そうだ紅狼は禁錮にしよう。そうしよう。一生出さんで良いよな。
「金色の狐って意味だ」
「分った、金狐お兄ちゃんね」
オレは木の葉の頭を撫でる。柔らかい髪はさらさらで、手櫛で梳けばはらりと流れた。
「お……おい、金狐」
オレは無粋な邪魔者を睨みつける。何だオレと木の葉の邪魔をしやがって出て行け黒龍。
「何だ?」
「木の葉は暗部入りするために来たんだろ、どーすんだ?」
ハタと思いだす。そういえばそんなことを言っていたな。だがそれはオレと木の葉が再開するための最後の一手、方便に過ぎない。オレが木の葉を危険に晒すと思うか?
「金狐お兄ちゃん! 私、暗部に入りたい!」
きらきらした目で木の葉が言った。オレを見つめながら。オレだけを見つめながら。
「くっ!」
木の葉には安全な場所にいて、オレを安心させて欲しい。陽だまりの下で笑っていて欲しい。が。木の葉の望みも叶えてやりたい。
「あーっと、木の葉、お前は何で暗部になりたいんだ?」
オレが何も言えずにいると、横から黒龍が助け舟を出した。
「初めはお兄ちゃんを探したかったから。暗部になれば見つけられると思って」
つまり木の葉はオレを探してくれてたわけだな。オレとの思い出があるってことは八年前からオレのことを忘れずに探していたってことだよな。
「それと今は、金狐お兄ちゃんの傍にいたいから」
瞳を潤ませた木の葉の言葉に、オレは気付けば頷いていた。こんな可愛い子の願い一つや二つ、どうしてオレが叶えずにいるか!
どうして暗部になりたいのか、何て、決まってるよ。
「初めはお兄ちゃんを探したかったから。暗部になれば見つけられると思って」
どう見ても暗部面っぽいの付けてたからね、金狐お兄ちゃん。
「それと今は、金狐お兄ちゃんの傍にいたいから」
スレナルやスレシカと一緒って素晴らしいよね! 嬉しすぎて涙が出るよ。
「分った。その代わり、お前には索敵しかさせないからな」
索敵ってのは敵がいないかサーチする仕事だったっけ、確か。まあ私の気配察知能力は自分自身玄人裸足だって自覚あるからなぁ。それが妥当かね。
「うん!」
頷けば金狐お兄ちゃんが柔らかく微笑んだ。美形には笑顔が似合うよ。
「木の葉、後から連絡するから今のところは地上に帰れ。また会いに行くから、な?」
ぐりんと体を回されて金狐お兄ちゃんと向かい合う。見つめあって言われたら――頷くしかないよね! 金狐お兄ちゃんは私をここまで連れてきた紅狼って人を呼んで、私を地上までまた案内させた。紅狼さんなんかごめん。
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紅狼がスレサスだと分かる日は来るのかしら。にしてもスレナルの脳内が大変だ! 04/19.2010
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