木の葉丸 | ナノ






 木の葉が暗部に入るならやっぱり暗部名はオレが考えるべきだよな。高貴な色の紫でも入れるか? それとも金に対比させて銀にするか――いや、それだとあの歩く十八禁と被る。紫だな、なら試練とかけて紫蓮でどうだろうか。


「紫蓮ってのはどうだ?」

「何が」

「木の葉の暗部名に決まってるだろ」

「知るか!」


 黒龍は指先で机を叩きながら苛々とした口調で言う。


「さっきからお前、全然書類片してないって気づいてるか? こっちに迷惑かけんな、面倒くせー」


 机の上に書類をみれば、木の葉が来る前からほとんど進んでいなかった。


「ああ……すまねー。浮かれてるな、オレ」


 柄にもなく浮かれてる自分に苦笑する。木の葉も十歳となればオレのチャクラの影響ももうないに等しいだろう。きっかけがなくてずるずると会わずにいた木の葉が向こうからやって来てくれるとは思いもしなかった。頭を掻いて謝れば、黒龍は仕方ないなと鼻を鳴らした。


「どんな関係なんだ? あれは三代目の孫だろ」

「昔オレが面倒みてたんだ。木の葉が二歳の時に世話係から外してもらったんだけどな」

「……二歳? お前が木の葉と最後に顔を合わせたのはいくつん時だ」

「世話係から外れた後は一度も会ってないが」


 黒龍は渋い顔になって腕組みをした。


「おかしいとは思わねーか? 二歳の時の記憶なんざふつうなら覚えてるはずがねぇ。オレみてーな特殊な人間じゃねぇ限り」


 オレのチャクラのせいじゃないかと思ってることを言えば、黒龍は更に顔をしかめ面にして首を振った。


「それはありえねー。お前と何年も一緒に働いてる奴らはオレの他にもたくさんいるが、そいつらの頭が良くなっただのという話はとんと聞かねぇ。それにオレもお前と一緒にいるからって突然頭の回転が良くなったかといえば否だ。つまり、元々木の葉にゃその素質があったってことじゃねぇのか?」


 もしそうだとしたら、オレが木の葉から離れたのは無意味だったということだろうか。そうなら良いんだが――木の葉に変な影響を与えずにすんでいるなら。


「紅狼の目は確かだってことだ……。数いる奴らの中から同類を見つけ出せるんだからな」


 黒龍はニヤリと笑んだ。釣られてオレも自然に笑む。気分が少し、軽くなっていた。













「で、何よりオレが言いたいことはアレだ」


 空気を変えるように一つ柏手を打って黒龍は書類を指さした。


「仕事しろ」









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 シカマルが好きだ、というのを全面に押し出してみましたぜヘッヘッヘ。
04/28.2010

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