木の葉丸 | ナノ






 木の葉が瞳をキラキラさせて自分も暗部になると言い出し、金狐はくっと詰まって黙り込んだ。何が「くっ」だ、何が。オレに対しては有無を言わさず高圧的に命じたくせに、どんな間柄なのかは知らんがこの対応の差は何だ。


「あーっと、木の葉、お前は何で暗部になりたいんだ?」


 オレがそう助け船を出せば、金狐は良くやったと言わんばかりに顔を輝かせる。


「初めはお兄ちゃんを探したかったから。暗部になれば見つけられると思って」


 良かったな金狐、こんな可愛い子に思われてるなんて。


「それと今は、金狐お兄ちゃんの傍にいたいから」


 木の葉のひたむきな言葉にオレも柄になく感動した。一方金狐はというと感動というよりも顔面筋をどうしたらそこまで崩れさせることができるのか不思議なくらい顔を崩れさせて何度も頷いている。……駄目だ、本当の年齢を知っているオレでさえ金狐ロリコン説を熱狂的に支持してしまいそうなんだ、金狐のこんな姿他の暗部連中には絶対見せられねぇ。暗部総長金狐はロリコンだなんて噂流れてみろ、金狐は当然として暗部全体のイメージダウンだろーが。中でも特にこいつと親しくしてるオレ――紅狼はどうでも良いな――までロリコン仲間だとか思われるに違いねぇ。それだけは避けねーと。面倒くせー……。


「分かった。その代わり、お前には索敵しかさせないからな」


 性犯罪者にしか見えない顔をやっと引き締めて金狐はそう言った。オレに見る限り木の葉はあまり強くはない――暗部の中では、という意味でだがな。表側じゃ中忍レベルなら軽くノせる程度だから決して弱いわけじゃねぇ。この年齢でこれだけの強さなら将来が楽しみなくらいだ。だが暗部として働くには弱い。気配察知に優れているというならそこをさらに伸ばすべきだな。勝てない戦いをして死んだりなんかしてみろ、金狐が何をしだすか……。


「木の葉、後から連絡するから今のところは地上に帰れ。また会いに行くから、な?」


 別れ難そうな顔しながら言っても全然説得力ねぇな。


「うん!」


 どんなフィルターがかかってんのかは知らねぇが、この木の葉ってガキもどこに目が付いてんだかな。こんな犯罪者みてーな顔してる金狐にどうしてそんな笑顔を向けられるんだ。知ってっか? 性犯罪者の加害者のほとんどは親戚や近所の兄ちゃんなんだぞ。


「紅狼! 紅狼!」


 それから金狐は紅狼を呼んで木の葉を地上までまた案内させた。自分が見送らないだけ理性が残ってたと喜ぶべきなのか……これから面倒くせーことになると思うと溜息が出た。はぁ……面倒くせー。









+++++++++

 シカマル視点は突っ込みできて楽しい^^
04/27.2010

- 8/15 -
*前目次次#

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -