待合室での出来事2
雲雀恭弥氏と運命的な出会いを果たした次の日、またもや降り続く雨の中来院した青年が一人。
オレンジに近い赤い髪に金色にも見える瞳、立派すぎる体格。細い腰。細い腰。
腰の細いので言ったらハーメルンが神がかってるけど、この人の腰もむしゃぶりつきたいくらいに細い。恋しちゃいそうな腰ですね。
「初診だよ☆ 名前はヒソカ☆」
受付のお姉さんに彼はそう言うと、私のいる待合スペースに来た。そして何故か私の隣に腰を下ろす。まさかねー。そんなことあるわけないよねぇー。
「初めまして☆」
「あ、初めまして」
「君も虫歯?」
「いえ、ここの娘なんです」
「なるほど☆」
「貴方は虫歯なんですか?」
「うん。甘いものを食べすぎちゃってね☆」
青い果実ですね分ります。
「なるべく痛くないのが良いんだけど……☆」
ため息を吐くヒソカ。もう名前としゃべり方で確定だよ。復活じゃないのかよ。
「最近は痛くない治療法もありますよ。認可されていないので保険外治療になりますけど3Mix-MP法とかヒールオゾンとかいうのがあって、3Mix-MP法は抗生物質を三種類混ぜ合わせた薬品で虫歯部分の菌を殺菌する方法で、ヒールオゾンはオゾンガスを患部に当てることで虫歯菌を殺すんです。どっちも痛みを感じるほど削らないので大丈夫ですよ」
そう言えば、ヒソカが私の両手をぎゅっと握った。
「有難う☆ 少し気分が楽になったよ☆」
「それは良かった」
一生握っていてくれて構わないくらい嬉しいんだけどどうしよう。――あ、でも握られてたら漫画が読めない。やっぱり駄目。
「ボクは今まで一度も歯医者に来たことがなくてね☆ 少し緊張してるんだ☆」
へー。昔からバンジーガムを好んで食べてたというから、歯医者には何度か言った事があるだろうと思ってたんだけど違うのか。
「ヒソカさん、診察室へどうぞ」
励ましてたらだいぶ時間が過ぎてたらしい、ヒソカは呼ばれて診察室に行ってしまった。
ヒソカは口の中の歯石取りから始めることになったとか。ガリガリ削られたと言って涙目で待合室に帰ってきた。
来週また来るそうだ。
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歯石取り&歯肉炎治療に、僕は一月半かかりました。毎週通って……一月半。かかりすぎじゃないかと思いました。ついでにその歯医者にはもう行ってないです。 06/20.2010
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