赤ちゃんとボク21



 ゴンにボクのプレートをあげちゃって、ボクの手元には今四点分しかない。困ったなぁ……何度か他の受験生に会ったんだけど、どれもこれももうプレートを奪われたのばかりだったんだよね。あと二点をどうするか、それが問題だ。

 ま、来年受験しなおしても良いんだけどね。もう来年にしようかな、味見はもう済ませたわけだからハンター試験にこだわる必要ないし。リンネがハンター証を取れればそれで良いことにしよう。

 試験終了一時間前の汽笛が鳴り、身を隠していた受験生たちが集合地点へ向かう。覚えのあるオーラがボクの隣に降り立った。イルミだ。


「やあ、数日ぶり☆」

「リンネは?」

「いないよ」


 円を広げて探したけど、範囲内にいないのか見つからなかった。互いに無言で走り、あと五分で集合地点という時にリンネが円に引っかかった。


「二十二時方面にリンネがいるね☆」


 まだ広場には着いていないようだ。


「行くよね」

「せめて疑問符を付けないかい?――まあ、行くけどね☆」


 真っ直ぐ集合地点へ向かっていたのを変更してリンネに合流すれば、まだ集合時間まで余裕があるからだろう、リンネは気楽に歩いていた。


「やあリンネ☆」

「おう、パパとイルミか」

「今はギタラクルだよ」

「ギタラクルな。パパは六点集まったのか?」


 リンネの疑問に肩を竦めるほかない。もう後半は面倒になってリンネを探す方にシフトを置いてたなんて言えないしね。


「ンー、見つけた相手が誰も彼もプレートを取られた後とか失くした後でね☆ 残念ながら四点なんだ☆」


 イルミが「ヒソカ恰好悪い」とボソリと呟いたから肘鉄を打ち込んだんだけど、同じく肘鉄で返されて、肘同士が鈍い音を響かせただけだった。


「ふむ、何番があるんだ?」


 興味があるらしいリンネの手にプレートを乗せる。118、281、384、405。その上にイルミが80のプレートを追加し、見やったボクに「いらないからあげる」と言った。


「これは?」

「オレを銃で狙ってた奴のプレート。ムカついたからすぐに殺しちゃった」

「でももらってももう意味ないんだよね☆ 来年また受験しようかなって思ってるし☆」

「そうなの?」

「ウン、来年には来年で新しい面白い子が来るかもしれないだろ☆」


 手の中で転がしていたプレートをリンネが返して来たのでまたポケットに入れ、リンネの四次試験を見守るつもりだと答えた。

 さて、もう集合地点に着きそうだ。四次試験は一体どうなるんだろうね……楽しみだよ。





+++++++++
 スーパー嬉しいと言われたのでスーパー執筆。原作破壊? いえいえ原作沿いだよ。
10/08.2012

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