XANXUSってのは10×10じゃなくて10の10乗なんだ覚えとけ



 某週間少年飛翔で連載されてるっつー漫画に出てくる、傍若無人で唯我独尊で親近感と嫌悪感が同じくらい湧くと言うかなり好きなキャラクターに転生していると気付いてから二十年と少し。ゆりかご? んなもんジジイの子供じゃない方が有り難ぇから検査結果見た瞬間嬉しくて大笑いしちまったくらいだぜ、するわきゃねーだろ。部下共が騒いでやがったが、血に拘るような地位とか逆に萎える。説明が面倒で適当に言えば勝手に納得しやがった。ボス想いの部下共で便利だぜ。


「いつもうぜえ門外顧問とこの餓鬼が日本に行ったらしいじゃねぇか」


 これってアレだろ。


「リング……」


 今から全員で押し掛けて日本の候補共をぶち殺しちまうか、それとも少しは見られる力身に付けさせてから踏み潰して高笑いするか――後者に決めた。こいつのが気分が良いじゃねえか、なあ? どんだけ地べた這いずって修行しやがろうが、この最強にして最高な俺の前には塵芥に過ぎん。圧倒的強者、それが俺だ。


「おいカス、今すぐ門外顧問の餓鬼を追え。どうせフェイクだろうが向こうはあいつらにリングをくれてやろうとか馬鹿な事考えてやがるに違いねぇ。老衰も大概に……いや、門外顧問に責任全部押し付けるか。これを機にファミリー内の汚物を一掃すんぞ、テメーら」


 軟弱すぎてファミリーの役に立つどころか侮られる要因でしかねぇジジイと、テメーの息子が超直感に目覚めたからとデカすぎる夢を見た門外顧問のクソ。コイツ等二人を重要な椅子から離すにはもってこいのチャンスだ。


「あ゛あ゛! あの薬味みてぇな名前した餓鬼だったなぁ――三枚に下ろせば良いのかぁ?」

「そんくらいは自分で考えろカス、テメーの首に乗ってやがるのは脱脂綿か? あれは家光の秘蔵っ子だ、生かしておく必要がねぇだろカス!! 禍根っつーのは残したら膨らむ分うぜぇってことくらい分かれゴミ野郎」


 そう罵れば何故か嬉しそうな顔をして頷く脱脂綿。


「分かったぞお!」

「スクアーロちゃん羨ましいわ、愛されてるわねぇ」


 愛よ! とクネクネしやがる鶏冠頭のオカマ。いつもながらわけが分からねぇことを言う……マゾなのか? オレは口が悪い自覚あるしなァ。

 図体ばかりデカいボケが羨望の睨みをカスに向けている。金髪の見た目根暗実情情緒不安定な厨二と赤ん坊な金の亡者もカスを睨んでやがるし――今まで否定してきたが、やっぱりコイツ等はマゾか。どうしようもねぇな。おいカス、胸を張るな。うぜぇ。


「行ってくるぜぇ!」

「ああ。失敗しくさったらその頭、俺自ら真っ赤にしてやる」


 同レベルの後任がいねーから殺すのは無理だが……頭をちっとかち割るくらいならいけるか? 一升瓶を思い切り人の頭に振り下ろすとか前世じゃ殺人罪で捕まるからなぁ、今生様々だぜ。

 カス共は喜びに打ち震えた……視界の暴力だな。陽気なイタリアワインを変態マゾ集団の中心で傾ける俺、なんかドエスみてぇだな。サドなのは否定すり気もねぇから良い、のか?

 いても邪魔なタラコ唇野郎は追い出して赤ん坊を膝に乗せる。犬種は忘れたがいるだろ、目元が隠れてやがる犬。それに似てる金髪の厨二を足元に座らせ、甲斐甲斐しく世話を焼いてくるオカマにスイーツを出させワインを注がせる。年下二人はペット、オカマは見たまんま給仕だな。

 ボス業も楽なもんだぜ、なぁ?



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 勘違い要素がさっぱり見えない転生主視点。
2012/04/17


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