いらはいtoコナン2



 オニーサン――毛利小五郎と言うらしい――の話によると、可愛い娘が俺とそっくりの男にだまされているのだとか。小五郎さんが二十五かそこらだとすると娘は最長で七つか八つ。で、俺そっくりの相手ということは年齢は中三から高二あたりだ。――犯罪だろ。ロリコンって言うんだぜ、それ。


「手塩にかけて育てた蘭が! あんな男に!」


 さめざめと泣く小五郎さんがあんまりに可哀想で、慰めるために手品を披露することにした。


「小五郎さん、ちょっと見ててくれよ」


 ハンカチを握りこぶしにふわりとかけ、空いた左手で指さしながらカウントをとる。


「スリー・トゥー・ワン!」


 ハンカチをとればタネも仕掛けもある手品だ、バラの造花をつまんでいる。


「ほお……快斗君はマジシャン志望なのか」

「いや、親父がマジシャンだったんだ」


 はいどうぞと渡せば赤い目元をこすって小五郎さんがほほ笑んだ。幻覚なのか周囲に花が飛んで見える。俺、目がおかしくなったのか?


「有難う、快斗君。こんなおっさんの愚痴を聞いてくれただけじゃなく慰めてまでくれて」

「いや! 俺がしたくてしたことだし気にしないでくれ!」


 両手をぶんぶん振って言えば小五郎さんは優しく笑む。なんでだろうな、顔が熱い気がする。


「ここで会ったのも多生の縁ってものだろう、いつでも遊びに来てくれて構わないから」


 そう言って小五郎さんは名刺を取り出し俺にくれた。毛利小五郎探偵事務所――へえ、探偵だったのか。


「探偵って言うとあれだろ? 最近新聞を賑わしてる高校生探偵工藤しんい――」


 小五郎さんの雰囲気が一気に怪しくなった。何か俺変なこと言ったか? もしかして仕事上のライバルとか!?


「蘭を騙したあの男と一緒の職業なんかじゃないわい。私は堅実な探偵なんだよ!」

「……なるほど」


 探偵業の関係で工藤新一と知り合ったと思ったら、いつの間にか娘さんがそのロリコンの魔手にかかっていたってわけか。可哀想に……。


「小五郎さん、俺、小五郎さんを応援してますから!」

「か、快斗君……!」


 同じ顔で性犯罪起こされちゃかなわねー。それに、小五郎さんと仲良くするチャンスだよな、これって!

 内心ガッツポーズをとりながら俺は爽やかな笑みを心がけた。娘さんの蘭ちゃんには悪いけど、利用させてもらうぜ?












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 快斗サイド^^投げ飛ばされたけど工藤新一=ロリコンという考えにいろいろと飛んで行った感じ。新一可哀想。
12/02.2010

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