輝々○○のマジシャン
かのダンブルドアが死に。他の『正義の』魔法使いと名乗る者共は騎士団などと名乗りヴォルデモート卿率いる『悪の軍団』に何度となく攻勢を仕掛けている。馬鹿だな、何で分らないんだ? 正義を振りかざすだけじゃ何も変わらないということを。
「シェーマス……」
「大丈夫さジニー。オレはオレの正義のためにあそこにいるんだから」
外から壊すのは難しい。内から壊すのはもっと難しい。だが、オレは外にいて正義の味方ぶりジニーの命を危険に晒すよりも、外から悪の手先と罵られながら内から壊す方を選ぶ。大切なものはオレの外聞ではない、ジニーの命だ。
「ああ、気をつけてね! 貴方が死んでしまったら私……私! 生きてられないわ!」
「安心してくれ、オレは戦闘に参加しないって言ってるだろう? オレはあくまで中で傍観するだけ――危険なことなんか何もない」
抱き着いてきたジニーの潤んだ目尻に口付け、顔を離して微笑む。そう。何の心配もいらないんだ。
「離れたくない……シェーマス」
「オレもだ。もしオレがいない時にあの馬鹿共がこの家に来たりなんかしたらと思うと気が気じゃない」
「ふふ、大丈夫よ。私だって魔女なんですからね」
「それなら安心だ」
オレがずっと指導してきた優秀な魔女だ、そこらの馬鹿に負けるはずがない。体を放し見つめあって笑いあった。
「シェーマスも。向こうで気を付けてね」
「ああ。ジニーもこの家を守っていてくれ」
また一度抱き合って、別れた。これからオレは闇の帝王の住む屋敷へ向かい――
料理を作る。
それが今のところのオレの仕事だ。
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途中で結末が分かった方、手を上げてー。
09/13.2010
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