輝々
白銀の髪に黒リボン

「美形にはスキンヘッドが似合う事を知っているか、オリオン?」


 私の名前はアブラクサス・マルフォイ。今の「私」になる前は女だったが、現在私は男。それも水の滴り落ちるような良い男なのだ。自分で言うのもなんだがな。ハッハッハ!


「知るか」


 年下の友人――というよりは同僚だな――であるオリオン・ブラックに言えば、すげない返事をされた。


「シグナスはどう思う」

「……奇抜な髪形ではない限り、顔が良ければどんな髪型でも似合うと思う」


 同じく年下の友人のシグナス・ブラックに問うと、期待したのとは違う答え。


「まあ、お前たちに分からんのは仕方ないかもしれん。フサフサだった者がいきなり髪を剃れば、青白くみっともない頭にしかならんからな。ある程度日に焼く期間を設けねばならん。だから私は今まで隠してきたのだ――実はこれがカツラであると!」

「本当にどうでも良いなソレ」

「黙れオリオン」

「カツラだったのか……」

「お前は友達甲斐のある奴だな、シグナス」


 私は白銀のカツラ(剃った自毛で作ったもの)を取った。輝くスキンヘッドが現れ、オリオンが口をあんぐりと開けているのが横目に見えた。


「アブラクサス……。お前のいうことは常々突飛もなくて常軌をいつしたものばかりだったが……どうした、遂に嫁に逃げられたのか?」

「人のことを言えるのかオリオン。貴様の妻の噂は私の耳にも入っているぞ」

「アブラクサス、なかなか似合っているぞ」

「よし、シグナス。お前の娘の一人を私の息子にくれ。今日から私たちはただの友人ではない、親友だ」


 シグナスに好評だったから息子をスキンヘッドにして育てようとしたら、反発してロン毛になった。どうしてだろう。似合うのに。

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