輝々
BとVERY苦しみます

Bパパパロ。相手はBのはずが、何故かセブルスが出張っています。








 ホグワーツに入学したことだし、今年のクリスマスは帰らない!――そう、決めてた。帰ったら何が待ち受けてるか、分かりやすいほど明らかだったしね。だってのに。


「ひどいですレイノちゃん! 僕が嫌いになりましたか? 僕は悪い父親でしたか? 家に帰りたくないくらい僕が嫌いなんですかぁぁぁ?! 帰ってきてくれないなら割腹して死にますっ! 我が子から厭われる僕なんて、僕なんてぇぇぇぇ!!」


 という、吠えメールが来た。アメリアが哀れそうに肩を叩いてきて、なんだか空虚さが増した。ドラコは耳鳴りがするんだろう、耳を両手で押さえてる。


「あー……帰るわ、私」


 昨日の晩に、帰宅しない予定の生徒は名前を書き込むようにと談話室に届け出用紙が置かれた。私は帰宅するつもりだっていうアメリアたち三人に残ることを言って、そのまま寝た――だけのはずなんだけどなぁ。Bさんに居残るつもりだって手紙はまだ出してなかったし、まだ知ってるはずがないんだけど、なんで知ってるんだ?


「それが良い判断だと思うわ。今回帰らなかったら次の休暇に死体とご対面することになるかもしれないし」

「生生しい表現だなぁ」


 Bさんなら本気でやりかねないから、冗談じゃ済まされない。アメリアが憐憫の目を向けてくるのに肩を落としながら頷いた。


「あー、レイノ・エバンス?」


 私の名付け親で、実を言うと彼に引き取られたかったな、と思っちゃうくらいの人――セブルス・スネイプが教師席からわざわざここまで来てた。


「あ、スネイプ教授。吠えメールについてですよね、迷惑かけてすみません」


 Bさんは私の身を心配してか、ことあるごとにこういった内容のメールを送ってくる。それも、ただの手紙じゃなくて吠えメールを。二巻のロンの気持ちが良く分かる。恥ずかしさで憤死しそう。


「いや、違う」

「へ?」


 日本人のくせでペコっと頭を下げた私は、否定の言葉に目を見開いた。どーゆーこっちゃ?


「アレの娘というのも疲れるだろう、頑張るんだぞ」


 唇の片端をクイと釣り上げて、セブ教授は笑った。頭を一撫でして背を向けた。


「あー、アメリア」

「どうしたの?」

「年の差二十ってどう思うよ?」


 Bさんとのねっちょりしたクリスマスはもう半泣きだったけど、皆からもらったプレゼントの中にS・Sってイニシャルからのネッカチーフがあったのを見てちょっとニヤけた。







 二十の差は越えられますか?

→YES
→NO

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