輝々ドラコがハリーでハリーがドラコで・下
「――と、いうわけだ。OK?」
あまり人には聞かせたくなかった私とセブの入れ替わり話をすれば、ドラコ(inハリー)が納得して頷いた。
「そんなことがあったんだな」
ハリーの顔で真面目ぶられると笑える。てかドラコ、保健室でのこと忘れてるのか?
「うん。私の時はジジ……校長が薬をぶちまけちゃったせいでさ。戻る方法は一緒じゃないかと思うんだけど」
もしかしてあの双子、棚にこれと同じ成分の薬をこっそり隠してたんじゃなかろうか? それをジジイが壊しちゃって、私とセブが入れ替わっちゃったんじゃないかな。さっきの爆発と、煙の色が一緒だったから。え、じゃあアレか? 双子はあの月曜日に使うつもりだったんじゃ。でも棚からなくなってて(そりゃあないわな)、悪戯できなくなったとか。
「戻り方を知ってるなら教えてくれ、レイノ。こんな体に入っているなんて我慢ならない」
ドラコが目を輝かした。
「うん、僕もこのままは嫌だな」
ハリーも期待してる目を向けてきた。いや、うーんと。
「自然に戻るのを待った方が良いと思うよ?」
「何でさ?」
「レイノと教授はその方法を試したんだろう?」
ハリーとドラコだけじゃない、皆が私が答えるのを待ってる。だって、だってさ……。
「ちゅ、」
「ちゅ?」
「チュウなんだよ、戻る方法は!」
顔が熱い。まったくあの双子め覚えてやがれ、今度何かしたら半殺しにしてやる。
「チュウ――キス? こいつと?」
「まさか、レイノ? 本気じゃないでしょうね? ドラコがポッターとキス? 冗談じゃないわ!」
「本当なんだよぅ。パンジー怖い」
目が。
結果どうなったかと言えば、次の日のクィディッチにはハリーはハリーの体で出た、と言っておこうか。まだ十一歳なのに、ファーストキスを喪失した一年生が三人いる学年ってのは他にないんじゃなかろうか。
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