輝々セブが私で私がセブで・中
月曜日は一限目からさっそく授業。私とセブは結局、昨日のうちに元に戻れませんでした……ジジイ、覚えてろ。
でも、折角セブになったんだから楽しまなきゃ損だよね。だよねーうへへへへ。あ、ヤベ、涎が垂れるところだった。主要な教師陣は私とセブの中身が入れ替わったことを知ってて、心配してくれてる。大丈夫だよ、ちゃんと授業できるし、セブに劣らぬ授業をしてみせようではないか! はっはっは、はーっはっはっはっは!!
隣に座ったミネルバのばーちゃんが、朝食にいつものように野菜と果物(そういえばそんな名前の野菜ジュースがあった気がする)しか食わん私を見て、心配そうに眉根を寄せた。ああ、今すぐ生徒の席に行って、シシーの送ってくれる飯を食いたい。腹減った腹減ったよぅー。
「それだけで大丈夫なのですか、ミス――ター、スネイプ?」
Missって呼びそうになったのを、根性で修正したばーちゃんに乾杯。
「勿論。心配する必要はない」
そう言えば、いつものセブとあまり変わらんかったからか、ばーちゃんは不思議そうな顔をした。
「中身と外見が合ってないだけで、いつもと変わらないのでね」
ばーちゃんはキツネにつままれたような顔になった。
「中身は娘の方ですよ、貴女が校長から聞かれたとおり――入れ替わっておりますので」
「本当だったのですか……。えー、スネイプ? 私たちは出来る限りあなたの補助をしましょう」
「いや、それには及ばない」
「ですが」
「大丈夫です」
いらんと押し通して、どうにか一人で授業をする許可をもろた。大丈夫だよの○太くん、ボクがいるからにはもう大丈夫☆
セブってか、私になったセブは今、保健室で病人になってる。私はセブの真似ができるけど、セブが私の真似をしようとしても無理だからね。無駄にドラコたちを混乱させるのは良くないし。
一限目はグリフィンドールとスリザリンの合同授業――それも、ジョージ&フレッドがいる学年。うわあ、初っ端からこれかよ!
「今日は縮み薬の続きをする。先週ノートに書いた通りに、手順を違えるな」
いたずら好きなあの双子のことだ。どんないたずらを仕掛けてくることか……。不安だ。胃が痛い気がする。
「はい教授! ノートを忘れました!」
「片割れに見せてもらえ」
「僕も忘れました!」
「黒板を写せ」
ぐおおお、この餓鬼共ぉぉっ! いらんことばっかりしやがって、授業妨害で追い出すぞコンニャローっ!
「ジョージ、次は何をするんだっけ?」
「それはアレさ、フレッド。ミントをすり潰すんだよ」
「千切りだ、馬鹿共」
大声でそんな風に解説しながら作られたら、他の自信のない奴らがそれに流されるだろーが。自分のとったノートを信じられなくなるんだよね。
今日はどうやらいたずらはなかったみたいだけど、ああ、精神的に疲れたよ……。
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