輝々
ハロウィン2011

 いらはい・で・ハロウィン

 恭弥が「ハロウィン関係となくはないかい?」って言ってるけど、ハロウィンといえば仮装、仮装といえば年甲斐もない恰好、年甲斐もない恰好といえば制服――という発想の転換により、今回はみんなを学パロの世界にご案内するよ。

 初めに見つけたのは骸だった。生徒会長の席にふんぞり返っているのを見つけた時は後回しにしようかなーって一瞬だけ思った。


「さて……僕が生徒会長ということは良く分かりました。が、これは何でしょう? 『抱きたい・抱かれたいランク』?」

「それはねぇ、この学パロの重要な部分なんだよ。だってBL王道学園パロディなんだもん」

「び、びいえる……」

「男同士があはーん、うふーん、いやーんばかん、そこはボインよーんってすることだって、おかーさんが言ってたよ」

「今すぐ帰りましょう」


 骸が何かバカなことを言ってるのは聞かないことにして、さて、次は副会長を見つけるよ! このランクに従っていけば、彼のはず……。


「十代目ぇーっ! 十代目がこの学園に来てくださるなんて、この不肖獄寺隼人、嬉さに言葉も出ませんっ!」

「獄寺君声抑えてぇぇぇ!」


 おやおや、王道転入生と一緒のようですねー。声の方向へ向かえば、メガネをかけて髪をオールバックにした副会長ならぬ獄寺君が、王道転校生ポジのツナの足元にひれ伏してた。


「あれは一体なんですか」

「きっとこの世界にちょっと染まりすぎちゃったんだよー。自分がこの学園の副会長だって思い込んでるの」

「恐ろしい……早く全員見つけて帰りましょう!!」


 骸が獄寺君に幻覚を見せて気絶させ、まだ正気だったツナにここの説明をしてあげながらみんなを探す。次はぁ、会計?


「オレとにゃんにゃんしないかい、子猫ちゃん」

「ら、ランボ様ぁん」


 ランボとイーピン発見。イーピンってば男装も似合うね。骸による問答無用の回し蹴りで正気を取り戻した十年後ランボの手を引きながら、ランボにべったりのイーピン――くん? も連れて歩き出す。次は書記だねぇ。


「ああん、書記様っ」

「人嫌いでいらっしゃるもの……近くでお顔を拝見したい、ああ、でもっ」


 モブの生徒たちが噂している声を聞きつけてそっちに行けば、不良の群れを咬み殺してる書記――恭弥を見つけた。


「やっほー恭弥」

「夏輝ッ!」


 ぐじぐじ泣いてるランボを蹴り飛ばし私に抱き着いた恭弥はやっぱり正気だった。


「あと何人足りないの? 早く見つけて帰るよ!」

「おや、君はこの状況を理解しているのですか?」

「君には関係ないよ」


 睨み合いになりそうだった二人の頭をはたいて先へ進む。次は――クラスのムードメーカーとスポーツ少年?


「やっほーツナ」

「山本! 正気だったんだね!?」

「気合がたりーん! きょくげぇぇん!」


 やっぱり脳筋は洗脳されなかったみたいだねぇ。チワワを侍らせながら教室の中心で笑っている山本と、筋肉族の人たちから憧れの視線を一身に受けているお兄さん。洗脳にかかってたのって獄寺とランボとイーピンだけ? 面白くなーい。


「ふっ。洗脳される奴が出るなど、軟弱な生徒会らしいな」


 と、そこに現れたのは――ザンザス? と、愉快な仲間たちマイナスルッスーリア。


「お前はっ、ザンザス!」

「オレたちは独立治安維持部隊・ヴァリアー」

「なんか平和そうな部隊名に変わってる――!?」

「別称を風紀委員会という!」

「雲雀さんよりも問答無用な気がする!!」


 ツナとザンザスが夫婦漫才をしているのはもう気にしないことにして、全員揃ったみたいだ。


「――よし、帰ろうか!」

「一体君は何のためにここに来たのさ」

「え? そりゃあ」


 私は恭弥に微笑んだ。


「ハロウィンだからね!」


 去年のハロウィン、皆に「トリックオアトリート」って言ったけど、ルッス以外の誰もお菓子をくれなかったんだよねぇ。だから一年越しにトリックしてみました。


「ついでにこの幻覚はいつまで続くんだい?」

「さあ、三日くらいじゃないかなぁ」


 悪戯のためだけにコンビニで霧の波動を購入したとか、口が裂けても言えないけどね。














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僕だけが楽しい。ちなみに山なしオチなし意味なし。
10/31.2011

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