19世紀、宇宙旅行



 夢主はマリア・ジョースター。ジョージ・ジョースターの弟ジャック・ジョースターの娘。妹が二人いる女系家族で男ばかりのジョースター本家に対して華やかな傍流一家。次女はアンナ、三女はナタリー。

 未来視の力を持っていたことが原因で厭世的。ディオの未来であるDIOも視て知っているためディオの恋心をすげなくバッサリ切り捨てる。可哀想に、ディオは本気だった。ライバルとして愛しているのはジョナサンながら異性として恋していたのは夢主だった……という。

 実は「ここは私の――――……」の部分は「ここは私の死ぬ場所」だった。無差別の発砲事件により頭が撃たれ、「ここは私の」で思考が停止してしまったが故の尻切れトンボ。ディオは振られたその日に夢主が亡くなってしまったため夢主を諦められず、また記憶は美化されてしまった。ああ、百年の執着はどんな結果を生み出すのだろう。

 ちなみにジョースター家は、ジョージ・ジョースター二世が成人するまで代理としてジャックが当主を務める。が、まさかのジョージ二世まで早世したことを受けて再び次男一家の男が当主代理をすることに。アンナの夫が当主代理を務め、エリナがジョセフを連れてアメリカに渡ることになったのを機会に「代理」の文字が消える。つまりイギリスに残る次男ジョースター家が本家という扱いに変わった。

 アンナのひ孫として再び生まれてしまったのが夢主マリア・ジョースター。ジョナサンの子と孫をスルーできたのは嬉しいが承太郎の事件に巻き込まれそうな――というか巻き込まれる未来が視えた。DIOの目の前に連れて行かれる自分が視えてしまい、でも「一度は死んだ身だからどうでも良いわ」と好きなことを始める。

 年齢は承太郎と同い年。19世紀では淑女がすることではないとされていた女優に興味を持ち、「年齢にそぐわぬ感情表現の幅広さ」とか言われながら着実に有名になっていく――が。そのせいでDIOに見つかった。

 DIOがスタンドに目覚めたのとほぼ時期を同じくして得たスタンドは、バトルという面では全く役に立たない。スタンド名【Joyful, joyful】。他者の精神に影響する能力で、たいがいの場合は『憧れの歌手に会った・握手した』とか『恋している相手から笑みかけられた』時の様な高揚感を与える。ある意味では人型肉の芽。

 つまりDIOに会う時マリアにスタンドを発動されると、その人は肉の芽がなくてもDIOに対してカリスマや憧れを感じてしまうというもの。しようと思えば逆の事、つまり『口の中に虫が入って来た時の不快感』や『女子更衣室を覗こうとした馬鹿がいたと知った時の嫌悪感』のような感情を与えることもできる。ちなみにこの能力は画面越しでも発動する。

 三部ではDIOと屋敷のベランダでペアー・ダンスを踊ったりなんていう「ドキッ☆」があるものの、世捨て人な感性を持つ夢主は恋がどうこうなどせず暇をどうやって潰すかについて考えているだけの話。になる予定。

 19世紀、宇宙旅行ってタイトルの理由の一つは、19世紀に生きる人間で宇宙旅行(夢物語)が未来に可能になることを知っている唯一の存在という意味。百年後の未来について語ったところで狂人扱いされるし、近い未来について話せば普通の生活を送ることは不可能になる。知っていても話せない。

 二つ目はリキエルのアポロ11号についての話から。夢主は未来視の力によって精神的な成長を余儀なくされ、その結果厭世的な性格になった。「宇宙旅行(夢物語)」は成長を促すものであるという意味。

 つまりぶっちゃけ、精神的な成長に主軸を置いた話になるわけです。

2013/08/28
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