カム・トゥルー



 始まらない三部の話。

 承太郎と同い年に生まれた夢主。転生トリップだが知識はほとんどない。ネタとしてジョジョを知っているが、キャラの名前を横耳に挟んだ程度であり「だが断る」の元ネタであることも知らない。転生後は承太郎とは漢字違いの空上という名字で、幼稚園でも小学校でも隣同士だった。でも会話はほとんどない。

 生まれた時からスタンドに目覚めており、スタンド名は「ドリームス・カム・トゥルー」。三部の1987年にドリカムはまだ結成してない。能力は相手(自分を含む)を夢に引きずり込み(無理やり夢の世界へ連行)、夢主の任意の夢を見せ、夢は夢主の思い通りに物ごとを進めることができる。また、その夢の中の結果や事象を夢の外(現実)にも持ち出せるというもの。つまり夏休みの宿題を夢の中でやったら現実の夏休みの宿題もできている。夢の中で手に入れた物品を現実に持ち出せるが、常識から外れた物は不可能(ドラえもんのひみつ道具のような超常的なもの。BUTジョジョ世界で存在するものは可)。夢だから時間だって引き伸ばせるんだぜ。直接的な攻撃力はないけどある種のチート。睡眠時間は一瞬から数時間まで自由自在。

 どうしてこんなスタンドになったかというと、生まれ変わってからしばらくの間、夢主が「これは転生などではなく夢を見ているだけなのだ」と信じたがった結果。心の形や思考回路がスタンドの能力を左右するのだから、現実をなかなか受け入れられない夢主の能力がこうなるのもまあ当然かもしれない。で、夢(ドリーム)が現実(トゥルー)になってしまったという皮肉を込めてドリカムという名前を付けた。

 小学四年生になるまでスタンド能力が暴走気味で、本意ではなかったが同じ読みの名字を持つ承太郎を夢の中へ誘拐していた。夢の中では夢主は前世の容姿(手足が短いと不便だもの)だったため、承太郎は隣の席の空上さんが夢主だと気付いていない。夢主もまさか隣の席の空上さんが私ですとは言いだせない。余計に会話がなくなった。

 で。波長があったとか実はディオの血を引いていたとかディオがそういう電波を発信していたとか、何かしらの理由があって夢主のドリカム内にディオ様も登場。承太郎(幼児)とディオと夢主の三人で平穏な日常がだな……。六部DIO様みたいな調子のディオと夢主がいつの間にか熟年夫婦化し、承太郎はもう一組の両親として二人とキャッキャ。夢主がマム、ディオがダッダーって呼ばれてたら(幼少期に限り)可愛い。少年期から青年期あたりになったら呼び捨てになるんじゃないかな。

 DIOが復活してジョセフがやってきても、承太郎が「こいつディオじゃねぇか」とか言って「え、あれ、知ってるの?」という空気が流れそう。この場合だと夢主の居場所がSPW財団をあげて捜索されそうで怖い。どう考えてもDIOに対する抑止力です有難うございました。……ホリィさえ巻き込まれなかったら承太郎もディオの野望なんて気にしなかっただろうに。

 三部が始まらない展開だったら……承太郎は隣の席の空上さんが年を追うごとに夢主(20歳くらい)にそっくりに育って行くことに胸がトゥンクしてたら良いんじゃないかな。性格もそっくりだし笑顔もそのままだし。年頃になった夢主をDIOが迎えに来て事実が発覚とか。ディオの野望ってあんまり悪いことではないと思うんだ。もちろん自分の未来を知ってしまったらやる気が失せるという人もいるだろうけど、よりよい未来を勝ち取ろうと考えて発奮する人だっているわけで。現在よりも少し素敵な世界にしようという考え方は決して悪とは言い切れない物だと思う。

 エンヤ婆がいなくても、夢主がドリカムの中でスタンドの矢をディオに刺せばスタンドに目覚めてしまう。(「これは私の夢の中だから好きなものを出せるのよ」→「ほほう、ならばスタンドの矢を出してみろ」とディオ様→「良く分らないけどスタンドの矢よ、出ろー」→出た→刺してみる→ディオ様スタンド発現)。エンヤ婆いらず。

2013/06/16
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