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幸少年が幼少の頃、よく遊んだ歳の近い女の子がいました。 初めて会ったのは近くの神社のお祭りの日でありまして、赤の生地に青い朝顔が咲いた浴衣を着た彼女は、買ってもらったのか狐のお面を着け、りんご飴を片手に神社の遊具のところでぴょんぴょこ跳ね回っておりました。メガレンジャーレッドのお面を買ってもらった幸少年は、綿あめを片手に、当時から凄まじかったコミュニケーション能力を武器におかっぱの少女に話しかけました。 二人は意気投合し、紙とプラスチック製のお面越しではありますが大変仲睦まじくお喋りを続けます。時の刻にして夜8時、就学していない少年にとっては唯一外で遅くまで遊んでも良い日ではありましたが、それにも限りがございます。御母堂に連れられ、帰ることとなりました。 とても仲良くなった二人でしたので、また遊ぼうとお互いのお家の場所を言い合いました。なんと、お隣さんでした。 機嫌良く次の日の遊びの約束をした二人は、夜別れ、次の日再会しました。非常に気に入ったという彼女は、また赤い浴衣を着て、今度は顔の後ろに狐面をくくりつけていました。それを見た幸少年は、急いで家に戻り、メガレンジャーレッドの仮面を持ってお隣の家に向かいました。そして二人で、神社の遊具がある広場へと向かい、そこで遊びました。 ジャングルジムや鉄棒、ブランコで遊ぶ日々が続きました。ただ一つ、お面を持ち寄って、あとは草花を摘んだり近くの林を駆け回ったりしました。 夏祭りで出会った次の年の冬のことです。 親を亡くしたのか、老夫婦と共に暮らしていたおんなのこでしたが、お婆様が冬の厳しさからか、肺を患ってそのまま亡くなられてしまったのです。そして、後を追うように、お爺様も儚くおなりに…。 お爺様のお葬式の日、幸少年はぽつんと所在無さげに裸足で居間の畳に立っている女の子を見かけました。声をかけようとしたところ、彼女はふらりと廊下に出で、幸少年はあまりよそのお家を動き回らないように窘められて、不満ながらも行儀良く座り直しました。 これが、女の子を見た最後の出来事となります。 いつの間にか、メガレンジャーレッドのお面の横に狐面が並べられました。たいそう沈んだ顔をした少年への母親の気遣いだったのでしょうか。 幸少年が高校生になった現在、既に老朽化した隣のお家は一度更地になり、今では挨拶をする程度の知らない家族が住んでいます。神社の遊具は、子供が落ちたり手を挟んだりするかもしれない、危ないという苦情により、しばらく前に撤去されています。 幸少年は、夏祭りの度に、友人の誘いを断って、りんご飴を片手に神社の境内を、成長した少女がこの街に戻ってきてはいないか、ぼんやり考えてはふらふらしたのでした。 今、目の前にはあの頃と変わらぬ姿形の女の子が立っています。赤に青の朝顔が咲いた浴衣。まっしろな肌と肩のあたりで切り揃えられたおかっぱ頭。 嬉しそうに赤く染まった顔をしながら、目の前の幸少年に笑いかけています。 柿崎幸少年のスタンドは、古くは彼の守護霊でありました。それから更に遡れば、お隣さんのお家の座敷童でございました。 ずっとそばにありましたが、スタンドのエネルギーにより、スタンドは見えるものだという幸少年の意識により、ようやっとその姿を現したのです。 ==== ちょっといい話風に終了。ギャグが書けんかった。 柿崎幸のスタンド 『ネイバーフレンド(隣の友達)』 ・浴衣でおかっぱ頭の女の子の姿。 ・叩いたり蹴ったりは基本的に出来ない。 ・子供の遊び(例:かごめかごめ)などに擬える不思議な出来事を引き起こせる。今のところ後ろの正面だあれしか幸少年はしらない。 ・スタンドの鏃が幸少年に刺さり、スタンドが発現しそうになった時に、守護霊として幸少年についてた座敷童ちゃんがその存在に滑り込んだ。自我持ち。
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