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肉の芽を抜かれ、トランス状態のようなものから抜けた花京院典明は、ようやくその時興味深そうにこちらを覗き込む、空条承太郎とは別の少年に気が付いた。 おそらく天然物だろう、明るいブラウンのショートヘア。人懐っこそうな顔がこちらを伺っている。立て膝を建てた時に、腰にぶら下がる重ね付けされたウォレットチェーンが音を立てた。 「元気になった?」 「…え、ええ…。君は?」 「ああ、俺?」 俺、ユキな。カキザキユキ。果物の柿に山偏に奇妙の奇でざき、幸せって書いてゆき。お前は? にこにこと、何の邪念もなさそうに告られ問われ、対人関係が△…もう少し頑張りましょう、な花京院は若干まごついた。 「え、えと、花京院典明です。花の京都に病院の院、で花京院。典雅に明るいで典明。」 「そっか!なんか書生さんみたいな名前だな!袴にブーツとか似合いそう」 思わず字面まで説明して、つられてしまった…と花京院は真顔になった。そして、本人にはそのつもりはないだろうが、コスプレが似合いそうだと言われてうっかりきぶんが上昇した。安いものである。余談だがこの時、柿崎少年は、花京院って悪魔使役する書生のライバルキャラで出そうだよな…と考えていた。主にマレビト的なアレである。承太郎はああ、柿崎は通常運転だな、と遠くを見ていた。初対面でもグイグイきて、ふっといなくなったかと思えば気がついたら後ろに立っている。 文章にするとホラーだが柿崎少年相手ではただ膝かっくんの警報である。入学当初から絡まれ続けて、承太郎はそのうち膝かっくんのタイミングに合わせて後ろに頭突きするようになった。初めて反撃されてバランスを崩した柿崎は靴棚の下に引いてあるすのこの上をゴリゴリ転がった後、ふへァァーーッwwwwwwと腹筋崩壊して涙目で呼吸困難を引き起こしていた。通常運転です。 それから二人は膝かっくん、もしくは脇腹擽る攻防をクラス替えの後同じ教室に押し込められても続けている。 「ああ、そうだ!お前ら花火やってたろ?」 なんだよ誘えよなあ?ケッコー盛大だったじゃん。あの緑のやつー、と話題が急激に本題に入る。通常運転です。 窓から見えてたぜ!ガッコー燃えなくてよかったよなァとのんきに喋る柿崎に、花京院は驚いて法王の緑を呼び出した。 「君、この子がみえるのかい?」 「オー見えるよ?ミカヅキモとかそんな感じだよな!」 「ああ…JOJOには光るメロンって言われたよ…」 「ひwwwwかwwるwwwwwwめろwwwwんwwwwwwwファーーーーーwwww」 ゴロゴロゴロ。腹筋を盛大に引きつらせながら柿崎少年は転がって襖に激突し沈黙した。初めて少年の爆笑発作を見た花京院は肩をビクッとさせた。しかしこれが通常運転です。どうか慣れてください。 ===== 基本的にはいつもニコニコあなたの後ろに忍び寄る混沌柿崎幸少年。しばらく慣れるまでは爆笑発作の起こるたびにびっくりする花京院。 それを乗り越えたらノリノリな典明になる花京院。 悟った承太郎。クルセイダーズの明日はどっちだ。
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