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空条承太郎のクラスは笑いが絶えない。 いや、正確には笑いを堪えられないクラスである。 高校生は、箸が転がっても可笑しい年頃ではあるのだが、それにしたって度が過ぎている。 だいたいの笑いは、席順でいうと承太郎の一つ前である柿崎という少年から伝播する。どちらかというと電波かもしれない。 国語でトラックという単語を全てドラッグと読み替えて真顔で朗読したかと思えば、理科の時間に解剖するカエルに裏声でアテレコしてみたり。サザエさんがどら猫を咥えて巨大な魚を追いかける超大作を黒板に書いてみたり、いけすかない教師のズラをさりげなく引っ掛けて何食わぬ顔で通り過ぎて、教室に入ってきたところを大爆笑してクラスのヒーローになってみせたりした。 空条少年が不良のレッテルを貼られているのに対して、柿崎少年は悪ガキのレッテルを貼られていた。 同じ高校になってから交流を持つようになった少年は、よく言えば明るくフレンドリー、悪く言えば暴走ダンプカーであった。ブレーキの代わりにアクセルがふたつある。 そんな柿崎少年は、入学式当初から持ち前の長身と強面で人との距離を開けていた承太郎に、ホームルームのあと笑顔で突撃してクラスを震撼させた。バチィンと強烈な音を立てて背を叩き、ああ空条?俺柿崎ね、お前の前の席だからよろしく!と至極爽やかに告げ、軽やかにカバンを引っつかんでそれじゃ、と後ろ手に手を降って下校していった。 急カーブを曲がらずに突っ込んでその勢いのまま無事に過ぎ去った柿崎少年に、同じ中学校出身のメンバーは悟った顔で通常運転です。と頷いた。 つれなくあしらってもそのうちまたケラケラ笑って絡んでくる柿崎少年とは、周囲からはお互いにストッパーになってくれればいいなぁ、なんて儚い望みをかけられては二人セットに扱われた。否が応でも交流が深まり、親友までは行かずともトモダチ?レベルにまでは絆された。 本気で迷惑そうにすれはさりげなく察してふらりと居なくなる柿崎少年は、それなりに友情めいたものを感じていたのである。 「くーじょーどしたん喧嘩ァ?」 「柿崎」 保健室でDIOの部下と名乗る少年をぶちのめして連れ帰る途中、短ランの少年にふいに背後から声をかけられ、承太郎はめんどくせえな、と振り返った。例に漏れず今日も機嫌良く笑っている。窓枠に肘と背を預けて、ケラケラと笑いながらこちらを伺っている。何が面白いのやら。 「喧嘩売られた。買った。話聞き出す為に連れてく。」 「花火してなかった?」 「あぁ?」 「緑の」 「…あぁ?」 空気が凍ったように思えた。エメラルドなんたら(※スプラッシュ)のことだろうか。こいつもスタンド使いか? 「お前もDIO様がなんたら言うのか」 「ディオサマ?様付け?お前様付けるような奴いんの!?マジで!?」 「…いや、いい。ちょっと俺ん家まで来い」 「また花火すんの?」 しねえよ、と吐き出して家路に着いた。 === 通常運転が((´∀`))ケラケラしてる。 笑い続けて腹筋割りました。
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