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ジョジョアニメ化記念に。 「創作家には二種類いると思うわけですよ私は。 納得するまで作品を温めて満を持して世の中に送り出す… 屑は自分の手で破棄しちゃうタイプですね。職人か芸術家って言ってもいいです。 二つ目は、納得いかなくてもとにかく決められた期日通り何かしら仕上げられる奴。 そりゃあね、規格統一大事な物作り系とか人の命に関わる仕事だとか?間に合わせれば良いってもんじゃないですよ?ないけどさ、アンタ何様の積もりな訳?ミケランジェロ?ダ・ヴィンチ?フェルメール?有名な芸術家にでもなったつもりですかコノヤロー」 大判のガラスを透過して燦々と太陽が降り注ぐ開けたカフェでパソコン越しにスーツ姿の美人が小声で罵って来た。 抑える努力は見えていた声は甲斐も無く甲高く引きつれ店内に響き、休日を楽しむ他人様に迷惑をかけつつあった。 「ちょっと、聞いてます?」 「もちろん拝聴している。フェルメールやらは自警団や貴族の肖像画を依頼を受けて描いていた。生活の為だ。つまり厳然たる職業画家であって、『自分の描きたいものだけ描きた〜い』と宣言出来るような芸術家ではな」 失敗した。女の小言はひたすら黙って聞くふりをして偶に『ちゃんと聞いてますよ?心に響いたー』と見せ掛けの生返事をするのが肝心。女は反応を求めちゃいないのだ。小言を吐き出せればそれで良いのだ。 黙って頷く を選択しなかった愚かな俺に誰か罰を…神様天罰を!決して目の前の美人からで無く、誰かっ! 「…そ」 予想した反応と違った。 小言は波に乗り弾丸の如くこの胸を貫き一方でテーブルに置かれた手付かずのお冷やをぶっかけられると思ったのに。 能面みたいな無表情が反って恐ろしい… 水から守る為胸に抱え込んだパソコンがウィ~ンと変な音を発てた。 「いや ちょっ…『予期せぬ操作のため強制終了』ってなに…」 「アンタは芸術家でも職人でもない。物作りに携わる資格すらない。 漫画『家』と名乗るもおこがましい! 締切守れない大衆漫画家なんざ、屑にも等しいわ代わりなんざ幾らでもいる『僕はここに存在していていいんだ…僕は僕。たった一人しかいない』?ハッ チャンチャラ可笑しいわホホホホホホホホホ! 一回目の締めどころか本当の締めまで破りやがって、代わりに新人の作品を捩じ込んでやったわ大事に育ててたのに年末特別企画にカラー表紙でデビューさせる気だったのにアンタのせいでおじゃんだこの低脳が! そんなに好きなもんだけ描きたきゃネットでも同人誌でも幾らでも妄想ぶち広げろ誰かが舐め合ってくれるわ世界は広いもの素敵! ただし、大前提があるわ他人に迷惑掛けない所でよ宇宙の意思に従いなさい」 シーン 楽しくお洒落なカッフェがもはやSとMの小部屋に変貌した。殊更明るい店内が反って淫靡さを助長させる…この女、とんだSだな!俺のみならず善男善女の皆さんのハートもバキュンバキュンさ。せっかくの土曜日に仕事のヤな事は忘れてはしゃいでるって言うのにね。 『迷惑掛けない』どの口で言うやら… 「……」 「お前、もう・漫画家を・名乗んな!」 「……」 学習能力の高い俺が今度こそはと大人の対応をしていたら、全く大人気無い女はヒステリーを起こして大層な捨て台詞を残して去って行った。 あの女さー 巷じゃ敏腕編集者って言われてるけど、ちっとも使えないじゃん。文句ばっかり言うし、嘘の締切教えるし、後一週間も余裕有ったんならもっとプロット練れたって!そしたら今頃、あれよ?ヒットヒットでもう、どうしようも無いよ?締切の一つや二つ、皆待っててくれるって。週刊で一人月刊やっても許されるって。ほら、屑みたいな他三週はそりゃ売上落ちるけど新人に場所を譲るのも大事だと思っ ブラックアウト 『で、どこ行きたい能力は何にする』 真っ白い空間で妙に普通過ぎる青年が携帯片手にめんどくさそうに訊ねてきた。普通過ぎてアクションし辛い。せめて携帯から目を上げろやテメー 『無いなら適当に放り込むよ…はい次ー』 「ジョジョに行きたいです!岸辺露伴の能力が欲しいっす!」 『フーン…次ー』 流れ作業かよっ 人と話す時はちゃんと作業の手を止めて目を見て話なさいって習わなかったのかよっ まったく非常識な奴が増えてかなわない… が、新たな展開というヤツか。 碌に説明もされなかったけど、どうやらカフェにトラックが突っ込んで俺は御臨終あそばしたらしい。 未練は無い。あの無能女を這いつくばらせて涙ながらに自分の過ちと見識違いを認めさせ、鷹揚に仕事を受けてやるのだ。しかして俺はけっして許さない!馬鹿共は優しくすると直ぐ調子にのって、いや思考がズレた。 あの女の思い上がりを正してあげられなかったのは残念だけど、今度の世界はジョジョ!能力付き! あのビッチ女は漫画家辞めろ等と俺に『死ね』と言うに等しい台詞を吐いたが、俺の成功は、人生は、漫画を描くことと同等だと思っている。 俺の崇高なる思想哲学を馬鹿共にそれと知られず啓蒙させるにはまだ頭の軟らかい少年少女向けの漫画が最適なのだ。 つまりは遠大で平和的な世界の浄化!皆の者、コミックは買え!俺にお布施を寄越せ! つまり漫画馬鹿は死んでも治らないのだった…。 浮き浮き。 順当にジョジョ(四部)らしき世界に生まれ、漫画を描く能力なんだから それなりの進んだ時代に転生するのは織り込み済みさ俺って頭いい。あれだけの条件で最大限に良い目当ててる! …生まれて、体も順当に育っていざ、漫画を描くことにした。 練習は必要さ。この体で俺の類い稀なる才能を炸裂させるには練習は欠かせない。 天才とは…99%の努力と1%の才能…俺にはその才能が・ある! 描きたい世界があって枯れ葉の様にアイデアが降り注ぐ。ただ、俺はそれを表す術がゆっくり過ぎた。とても週刊ペースに着いていけなくてストレスだけが降り積もっていった…。他人の手を自分の作品に入れさすのも我慢ならなかった。汚される気がした。 “芸術家にでもなったつもり?” 真っ白なケント紙と墨を用意して下描き無しで一気に描き上げる… アア、これしてみたかったんだよなぁ… 荒木さん良いなぁジョジョに来たらジョジョが読めないなんてとんだ盲点だった… “アレ”をするのだ!誌面で見た時から俺の心を鷲掴みしたあのスタンド能力をっ!すなわち、 滑らせた線に沿ってインキを飛ばし一瞬でベタ塗りを終わらせる…っ 何という能力!! これで俺の漫画作業は格段にアップし露伴に倣い片田舎で一人人気漫画家業を―… ベチャ ………あれ? (真っ白い原稿は黒々と) 夢主は勘違いしている。 漫画を短時間で一気に仕上げる人間離れした“能力”は岸辺露伴の“才能”。スタンド関係無い。 ちゃんと希望通り露伴の“スタンド能力”は付加されてる。←そっちは前世の記憶に無い。残念。 漫画を描くシーンのみに熱中した為と思われる… ダメな夢主。 岸辺露伴のスタンド能力 /人の記憶を本の形にして盗み読み出来る。
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