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お爺様とはぐれてしまった。私、ルドル・フォン・シュトロハイムの孫娘ウータ・シュトロハイムともあろうものが。しかもインドなどという異国の地で。なんという失態。きっと今頃お爺様は心配してらっしゃるに違いない。なんとか合流しなければ。 そもそも私がこんなところにいるのはあいつのせいじゃないか。JOJO、ジョセフ・ジョースター。彼からの救援要請が数日前にお爺様のもとへ届いた。内容は私のスタンド【Mass Destruction】の秘技の1つ、太陽エネルギー照射技であるオーメンを切り札として用いたいのだが、まだ8つなのでお爺様という保護者同伴で来てほしい。ということだ。 JOJOは、お爺様の古い友人らしく、私を連れていくのは渋ったが、最終的に私がお爺様の(最重要事項)友人を助けたいと言ったのでいくことにしたようだ。 そして現在、見事に人混みでお爺様とはぐれてしまった。 「ああ、お爺様、どこにいるのですか?」 お爺様がいなくてちょっぴり不安そうにしていたのが悪かったのか、私が美少女(世界一カッコいいお爺様の孫娘でお爺様に可愛いと言われるために日々努力をしているのだ。当然である。ナルシズムではなく事実を言っているのだ。) なのが悪かったのか、物乞いが声をかけてきた。 「お嬢さん、いいとこあるよ。つれてくね。きっと気に入る。」 「すごくいいとこ。同じくらいの子達いる。さびしくないよ。」 「………。」 面倒なのがきた。物乞いではなく人買いのようだ。 「(ヴェローニカでぶちのめしましょうか…。)」 ちなみにヴェローニカとは私の抱えるウサギのぬいぐるみ(鉄板入り)である。 「(お爺様に戦闘訓練は受けていますし、MDより温厚な対処法でしょう。)…はなしていただけませんか?」 「とってもいいところ。あやしくないよ。おいで。」 「はなしていただけませんか、と言っているのですが?」 「…はやくこっちくる!はやく!はやく!」 痺れをきらしたのか私を無理矢理連れていこうとするので声を荒げてヴェローニカを振り上げた。 「はなしなさいと言っているでしょう!…この下郎が!」 腕に叩きつけて折ってやろうとヴェローニカを降り下ろそうとしたその時! 「貴様!なにをしているんだ!」 「…!」 なんと表現すべきか、前髪が片方垂れ下がり、チェリーだろうか?耳には…あれはイヤリングやピアスの一種だろうか?ストラップのようなものをつけたアジア人男性が助けに入ってくれた。ちなみに人買いは目撃されるだけでまずいのか、声をかけられた時点で逃げ出した。 「君、大丈夫かい?」 「…はい。ありがとうございました。」 「駄目だよ、君みたいに可愛い女の子が1人でいては。こういうのはどこの国でもあるんだからね。」 「はい、」 「見たところ旅行者か何かだろう?保護者の人は?」 「…、」 保護者と言われて顔を曇らせ俯いた。 「…お爺様と、はぐれてしまったのです。…はぐれないように、気をつけて、いたのに、人混みで、気付いたら、いな く、て………!…ぅ、ぅぅ…」 「…そうか。」 自分で思っていたよりも不安になっていたのだろう。彼の優し気な顔を見ていたら思わず涙がこぼれた。 「…一旦僕と仲間が泊まってるホテルにおいで。このまま1人もよくないし、仲間やホテルの人なら手を貸してくれるかもしれない。」 そういう彼に連れられて、彼の宿泊しているホテルへ向かった。道中自己紹介をし、彼の名を知った。 彼の名は花京院典明。もしもお爺様がいなければ、私の初恋は彼になっていただろう。 ―――― いやっふゥゥゥ!今日は休みじゃあああ!
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