(さっきまで全然臭いなんてしなかったのに…)
少し躊躇ったが、足を進めることにした。しばらく歩いていると目の前に3つの扉が立ち塞がる。
(足音…聞こえなくなっちゃった…どこへ行こう?)
セレーネは少し迷ってから、正面にある真ん中の扉に手に近付き、鉄で出来た取っ手を押す。だがガチャガチャと鳴るだけで開かない。
「鍵がかかってる…」
小さく呟いてから、真ん中の扉は諦めて右の扉の取っ手に手をかける。すると今度は簡単にガチャリと動き、侵入を許した。
(取り敢えず前へ進もう…)
進んだ先には上に伸びた階段があり、セレーネは上り始める。するとまた分かれ道が現れた。
(どっちに行ったらいいの…?)
どちらに行けばいいかを迷って辺りを見回していたら、ギィと突然奥にあるドアが動く。急いでそちらを見ても、そこには誰の姿もない。
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